次世代PETリサイクル
2024-12-20 08:29:17

AIによる次世代PETボトルリサイクル技術の開発が始まる

AIによる次世代PETボトルリサイクル技術の開発が始まる



いま、環境問題への関心が高まる中、リサイクル技術の開発が急務となっています。そんな中、SyntheticGestalt株式会社、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社(AQI)、そして国立大学法人東京科学大学が、AI技術を利用した新しいPETボトルの分解技術「バイオリサイクル」の研究を開始しました。この技術は、2024年の下期から本格的に動き出す予定です。

バイオリサイクル技術とは?



「バイオリサイクル」とは、PET素材を新しいPET樹脂に再生するための次世代技術です。この手法は、従来の化学的分解工程を酵素による分解に置き換えるもので、生物由来の分解酵素を利用しています。これにより、反応温度を大幅に引き下げることができ、常温・常圧でリサイクルを実現する可能性があります。

現在、SyntheticGestaltは、2.5億種類もの遺伝子ライブラリーから、変わった機能や高い価値を持つ新たな酵素PETaseを探し出すプロジェクトに取り組んでいます。すでに、彼らは新しいMHETaseの発見を含む多くの新規酵素を発見しており、AI技術を駆使して世界レベルでの研究を進めています。

各機関の役割



本プロジェクトでは、3者が各々の専門性を活かして協力しています。SyntheticGestaltは、AIによる酵素探索を担当し、従来の手法では取り組めない速度で新しいPETaseの発見を目指します。AQIは市場ニーズや事業課題の分析を行い、リサイクル技術の実用化に向けた実績を評価します。東京科学大学は、分子進化工学の専門知識を駆使して、実験や評価を行い、進行中の研究に科学的な基盤を提供します。

環境への貢献



アサヒグループは、「容器包装2030」目標を掲げ、2030年までにPETボトルを全てリサイクル素材に切り替えるという意図を表明しています。この研究は、その達成に向けられた重要な取り組みの一つです。また、AGHの「アサヒカーボンゼロ」への中長期目標に寄与するものでもあります。環境負荷の低減を図りつつ、コスト削減をも視野に入れたこの技術が実現すれば、飲料業界全体にとって画期的な変化が期待されます。

今後の展望



現在、天然には約数十億種類の酵素が存在すると言われていますが、多くはその機能が未解明です。本研究は、AIの力を借りて既存の知識を超えた新しいPETaseを発見することを目指しています。既に、10種類の有望な酵素候補を見つけ出しており、一定の分解機能を確認しました。今後は、これらの候補をさらに深く検証し、より高性能な酵素の開発を進めていく予定です。2026年には、実証プラントスケールの運用を可能にするPETaseの開発を目指します。

SyntheticGestaltについて



SyntheticGestaltは、AI技術を駆使して分子の設計や探索を行う専門企業です。アミノ酸配列から酵素活性を予測する技術は、高精度で新たな酵素の発見や改変を実現可能にしています。私たちの取り組みは、経済性と環境への配慮を両立させる新しいバイオプロセスへの簡素化を実現し、リサイクル技術の向上に寄与していいます。この革新的な取り組みが、未来の持続可能な社会の実現に向けた第一歩となることを期待しています。


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