最近注目の「お別れビデオ」
終活において、多くの方が自分の想いを残したいと考えています。その一つとして浮上したのが「お別れビデオ」です。一般社団法人終活協議会が実施した771名を対象とした調査結果から、私たちはこの手段に対する興味や実態を紐解いていきます。
調査結果の概要
調査において、約48%が「お別れビデオ」に興味を示しました。一方で、実際に「お別れビデオ」を見たことがあると答えたのはわずか16%であり、興味がありながらも実際の視聴体験はまだ少ないことが浮き彫りになりました。つまり、「お別れビデオ」はまだ新しい文化として成長途中にあると言えます。
興味がある人の理由として「自分の言葉で想いを届けられる」や「生前の姿を見てもらえる」という答えが多く、映像による表現の重要性が窺えます。特に、44%が「自分の言葉で想いを届けられる」という点を重視しているのは興味深い結果です。
自作と業者依頼の選択
調査では、60%の人が「自分で作成したい」と回答した一方で、40%は業者に依頼することを希望しています。これは、自らの意志を表現したいという自立的な姿勢が背景にあるように思えます。とはいえ、技術面やコストを心配する声も多かったため、業者によるサポートの必要性も感じられます。
誰に向いているのか?
「お別れビデオ」は、どんな人に向いているのでしょうか?
「これまでの人生を振り返りたい人」が41%と最も多く、これに続いて「面と向かって話すのが苦手な人」が29%という結果が出ました。このように、お別れビデオは自己を振り返る機会ともなり、また、対面が難しい人々に新たなコミュニケーション手段を提供しています。
お別れビデオを通して伝えたいこと
多くの回答者が「感謝」を伝えたいと考えており、83%がこれを選択しました。このことから、映像を通じて感謝の思いを表現したいという心理が非常に強いことがわかります。そして、次いで「自身の生涯や思い出を残したい」とする意向も見られました。
「お別れビデオ」の今後
今後の社会において「お別れビデオ」を作成する人の割合が増えると考えている人が83%に上り、映像制作ツールの普及が進む中でこの文化が広がっていくことに対する期待が高まっています。プライバシーや文化的抵抗感への懸念は残るものの、全体的には肯定的な見方が多く見られます。
おすすめの傾向
調査では65%の人が他者にお別れビデオをすすめたいと感じており、残される人への配慮や、想いを形にする重要性を認識している方が多いことが伺えます。一方で、35%は家庭や社会的背景により抵抗感を持つ方もいらっしゃいました。
まとめ
私たちの日常から終活を考える中で、「お別れビデオ」は大切な人への愛や感謝を映像という形で残す新たな手段として、今後ますます普及していくと考えられます。映像が伝える感情や想いを、ぜひ多くの方に体験していただきたいものです。今回はお別れビデオの可能性に迫った調査結果を通じて、終活を考える良いきっかけとなれば幸いです。