2025年リモート求人動向レポート
はじめに
株式会社フロッグの提供する「2025年9月度 求人原稿 福利厚生トレンドレポート」によると、リモートワーク市場が急速に変化していることがわかります。コロナ禍を経て、リモートワークが普及した中で、最近では出社回帰の傾向が見えつつあります。しかし、求職者の中には依然としてリモート勤務やフルリモートを希望する声が強くあります。このレポートでは、最新のリモート求人市場のトレンドを詳しく解説します。
リモート求人の全体的な動向
過去1年間において、リモート求人は増加し続け、具体的には11,289件から12,995件にまで達しました。これは15.1%の増加を示し、企業がリモート勤務を柔軟に提供する姿勢を示しています。一方、フルリモート求人については、2023年以降も500件前後で横ばいの状況が続いており、求職者のニーズとは合致していないことが課題ともいえます。
福利厚生項目と仕事内容の記載状況
「仕事内容」欄におけるリモートや在宅勤務の求人については、リモート勤務を明記した求人数が減少傾向を示しています。具体的には、リモートと記載された求人は45,386件から39,919件へ、在宅勤務の求人は36,015件から33,910件へといずれも減少しました。しかし、福利厚生欄にリモートが記載された求人は11,289件から12,995件へと増加しています。これにより、リモート勤務が特別の条件から、求職者のニーズに応える形で福利厚生の一部にシフトしていることが浮き彫りになっています。
地方と都市部のリモート求人比較
最近のデータによると、リモート求人の増加率が特に高いのは福島県であり、逆に佐賀県が最も低い伸び率を示しています。全国的には44都道府県でリモート求人が増加している一方、東京や他の大都市圏ではその増加は他地域に比べて鈍化していることが明らかになりました。地方での採用活動においてリモート勤務が競争力を高める要素として機能していることが考えられます。
求職者のニーズと今後の課題
コロナ禍で誕生したリモート勤務は、出社回帰の流れがある中でも求人件数としては増加し続けています。特に、フルリモートの検索数は急激に伸びているものの、実際の求人件数は横ばいであることに注目すべきです。このことは、求職者のニーズと実際の求人との間に依然としてギャップが存在することを示唆しています。このギャップを埋める手段を見つけることが、今後の採用市場にとって重要なテーマとなることでしょう。
まとめ
今回のレポートから、リモートワークの浸透が求人市場に与える影響を考える上で多くの知見が得られました。また、求人情報の分析を通じて、企業は求職者のニーズに柔軟に対応しながら新たな働き方を取り入れていることが明らかになっています。今後の営業活動や採用活動に活用することで、より効果的な戦略を立てられるでしょう。求人ビッグデータを利用することの重要性はますます増してきますので、ぜひご注目ください。