地域企業を支援する新サービス
和歌山県海南市、商工会議所とジャイロ総合コンサルティングがタッグを組み、地域の中小企業を支える新しいAIチャットサービス「わかやまAi助」を2025年6月1日から提供します。これは、全国初の試みであり、地域の事業特性に合わせて設計されたサポートツールです。特にAI導入率が低い地方の企業に向けたもので、多くの企業が抱える「使いこなせるのか」という不安を解消することを目指しています。
背景と課題
経済産業省による調査から明らかになったように、全国の中小企業のうち、実際にAIを取り入れているのはわずか4.8%です。特に地方はデジタルの進展に遅れをとり、「AIは専門的で難しい」と感じている企業が多いのが実情です。和歌山県の事業者でも同様の声が聞かれ、結果的に生産性向上の妨げとなっています。商工会議所は、会員企業への支援を強化し、持続的な事業モデルを確立するために、AI支援が必要となっています。
『わかやまAi助』の特長
この新サービスでは、まず地域特化型の業務テンプレートを取り入れ、和歌山の特性に合った応答を実現しました。インターフェースも親しみやすく設計されており、季節性や商習慣を考慮した提案が可能です。
さらに、ChatGPT、Claude、Geminiなどの多様なAI技術を統合したことにより、ビジネス向けの機能が10種類以上搭載されています。これにより、専門知識がなくても直感的に操作でき、気軽に質問を投げかけるだけで、マーケティング分析や事業計画を立てられます。これまで外部に依頼していた業務を内部で完結できるようになるため、効率化が期待されます。
サポート体制
「わかやまAi助」は単なるツールではありません。海南商工会議所が定期的に開催する活用支援セミナーや、ジャイロ総合コンサルティングによる技術サポートも充実しています。地域企業同士の活用事例を共有する場も設けており、安定した支援体制が整っている点が大きな魅力です。
期待される効果
このサービスを導入することで、事業者は月間20~30時間の業務時間を削減できる可能性があります。マーケティング戦略の立案や新商品開発にかかる時間が大幅に短縮され、顧客対応の質向上にも寄与するでしょう。具体的には、1日かかっていた市場調査を1時間で済ませることが可能となり、SNS運用でも迅速な投稿文作成が期待されます。
地域経済にもポジティブな影響をもたらし、競争力強化や新たな事業の創出が地域全体の活性化につながります。特に観光業や農業といった和歌山の強みを生かした付加価値創出が進むことが期待されています。
収益化事業の新しい展開
この取り組みは単なる地域支援にとどまらず、商工会議所の新たな収益柱としても注目されています。全国の商工会議所からの導入相談も寄せられており、地域支援機関主導のAI普及モデルとして広がりを見せそうです。
地域密着型の強み
ジャイロ総合コンサルティングの代表取締役、渋谷雄大氏は「地域の事業者を最も理解しているのは地域の支援機関です」と話しています。この新しいサービスは、地域の特性に密着したサポートを提供できるのが最大の強みで、大手が提供する汎用サービスとは一線を画します。
技術的優位性
この記事で紹介する「わかやまAi助」は、ジャイロ総合コンサルティングが30年間培った経営指導のノウハウと最先端のAI技術を合わせた独自のシステムです。シンプルな質問回答にとどまらず、「1万分の1マーケティング」理論に基づく戦略的思考をAIに組み込んでいます。また、金融機関レベルのセキュリティで、機密性の高い情報も安心して扱えます。
終わりに
経営指導の長年の経験を背景に、新たな価値を提供する「わかやまAi助」。営業の現場において、AIは単なるツールではなく、地域企業の可能性を広げる力強いパートナーとなることが期待されています。これまで『やりたいけど手が回らない』と思っていたことが、AIとともに現実のものとなるでしょう。今後の展開に目が離せません。