2025年の職場における上司の性別への意識変化と影響とは

パーソルキャリア株式会社の調査機関『Job総研』が実施した「2025年上司に関する意識調査」では、上司に対する性別のイメージや意識の実態が明らかにされました。本調査は、385人の社会人を対象に行われ、上司の性別が職場環境や組織の在り方にどのように影響を与えているのかを探ります。

調査の背景と目的

昨今、次世代の女性リーダーの輩出や女性の活躍推進が広がる中、2025年10月には日本初の女性総理大臣が誕生しました。しかし、職場において男性上司には「決断力」、女性上司には「気配り」といった無意識の期待が依然として存在しています。この調査では、上司と聞いたときに浮かぶ性別のイメージや、上司の性別が組織に及ぼす影響について男女別に分析しました。

調査結果の概要

1. 上司の性別に対するイメージ

調査に参加した385人中、69.6%が上司を男性とイメージしており、特に男性からの回答が顕著でした。男女別に見ると、男性回答者の76.3%が男性を連想する一方、女性は55.5%という結果でした。これは、女性が性別を気にしないと回答する場合が多く、「性別を意識しない派」が28.5%に達していることを示しています。

2. 上司の性別を意識する頻度

上司の性別を意識しているかどうかを尋ねると、41.8%が「意識する」と回答しました。女性が43.7%に対して、男性は41.5%でした。つまり、上司の性別に関心を持つ人は多く、これが職場内のダイナミクスにも影響を与えるところです。

3. 上司の性別が組織に与える影響

71.9%が上司の性別によって組織が変わると考えており、特にコミュニケーションや感情表現、発言のしやすさが変化すると感じているようです。具体的には、男性上司の下ではコミュニケーションが過度に厳しくなりにくく、逆に女性上司のもとでは感情的なアプローチがみられるため、部下の反応にも違いが出ます。

感じる影響の具体例

調査結果から、上司の性別によって変わると回答した項目は、以下のようになりました。

- コミュニケーションの丁寧さ：37.2%
- 感情の出し方：32.9%
- 発言のしやすさ：32.5%

この結果から、上司の性別が直接的にコミュニケーションのスタイルや職場の文化、雰囲気に影響を及ぼすことが分かります。特に女性上司は感情表現に敏感な傾向があり、これが職場の協調性やチームワークにプラス作用をもたらすことも考えられます。

男女の意見の違い

男女別に見ると、男性は「具体的なフィードバック」を受けることが期待され、女性上司に対しては「感情的」との意見もありました。一方で、女性からは「男性上司の方が仕事がしやすい」との声も上がっています。致し方ないのはそれぞれの抱えるバイアスや過去の経験が影響しているため、一概には言えません。

結論と今後の展望

調査結果から見えてきたのは、上司の性別による古い固定観念が現在も残っているものの、性別にとらわれないリーダー像も存在し始めているということです。2025年の未来に向けて、上司の性別に関する意識変化が働く環境には大きな影響を与え、ダイバーシティを推進していく鍵となるでしょう。今後も楽しく生産的な職場環境作りを目指して、私たち一人一人が意識を持って行動していくことが求められます。