栃木県宇都宮でLRT(ライトレールトランジット)が開業
2023年8月に開業した芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)は、日本国内で75年ぶりに新設された路面電車です。LRTは都市の交通問題解決に貢献するシステムとして注目されています。新たな移動手段がもたらす効果が期待されており、宇都宮市と芳賀町をつなぐ14.6kmの路線が運行されています。開業からの1年後には700万人の利用者を見込まれており、これが地域の活性化につながるだろうとされています。
賃貸物件への需要が増加
最近の調査では、LIFULL HOME'Sによると、宇都宮LRT沿線の賃貸物件への問い合わせが開業前に比べて45.3%も増加しました。具体的に言うと、2021年の問い合わせ数を基準にすると、2023年には142.3、2024年には145.3と増加が続いています。その一方で、沿線以外の地域はあまり動きがないのが現状です。このデータから、ライトライン沿線の人気が高まっていることが明らかです。
家賃相場の変化
沿線地域の家賃も上昇傾向にあります。開業後の2025年1月時点で、ライトライン沿線の平均賃料は76,117円に達しており、開業時から約9.8%の上昇を見せました。これに対して、沿線外の地域の平均賃料は56,877円で、開業時からの上昇はわずか1.3%です。このことからも、ライトラインの存在が地域経済に与える影響が顕著であることが理解できます。
延伸計画と今後の展望
2025年には、宇都宮駅から栃木県庁や官庁街に向けた延伸計画も進行中です。これによってさらに利便性が向上し、居住ニーズが高まると見込まれています。延伸エリアでの賃料も現在は67,675円ですが、今後の交通利便性の向上が期待され、さらに家賃が上昇する可能性があります。
まちづくりの視点
宇都宮市では、「ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)」という計画が掲げられています。これは、都市機能を集約し、効率的な交通ネットワークを形成することで、人口減少社会においても市民の生活の質を維持・向上させることを目的としています。この計画において、LRTは重要な交通手段となるでしょう。
影響とさらなる展望
このような動きは、宇都宮の街が抱える社会課題を解決するだけでなく、地域経済の活性化にも寄与しています。市民の生活の質が向上し、交通手段が多様化することが期待されます。LIFULL HOME'Sの調査結果はこの新しい交通システムが市内外にどのような影響を与えているかを考える良い指標となっています。今後も注目していくべきポイントです。次回の調査結果においても、さらなる変化が見られるか注目したいところです。