決済代行サービス導入後の評価ギャップと企業の課題とは
株式会社ラクーンフィナンシャルが実施したアンケート調査によれば、企業が決済代行サービスを選択する際に注目する点と、導入後の実感には大きな違いがあることが明らかとなりました。この調査は2026年7月31日から8月3日の間に行われ、BtoB企業の経営者や経理責任者、営業責任者を対象に1,003名から得られた回答を基にしています。
調査の背景
決済代行サービスは、企業間取引において生じる未回収リスクを軽減しつつ請求業務を効率化する目的で広く導入されています。多くの企業は、導入時に手数料や初期費用の低さを最も重要視する傾向がありますが、導入後には与信審査やサポート体制に不満を感じるケースが多々あるといいます。この調査では、そうした評価ギャップに焦点を当てています。
導入前の選定基準とその影響
調査によると、決済代行サービスを導入する前に重視されたポイントの中で最も多かったのは「手数料や初期費用の安さ」で、52.8%の回答者がこれを選んでいました。続いて「導入までのスピード(49.0%)」や「運用のしやすさ(41.8%)」が上位に挙げられました。この結果は、導入時に発生するコストを抑えることが重要な判断材料であることを示しています。
一方で、実際に導入後に最も価値を実感しているポイントでは、「運用のしやすさ(30.8%)」が第1位に。これは、導入前の重視点であったコスト面よりも、日々の業務に無理なく活用できる使い勝手の良さが実際に重視される結果に繋がっています。
導入後の評価と課題
決済代行サービスを導入した企業に対し、「導入後に改善された業務内容」を尋ねたところ、最も多かった回答は「入金管理・消込業務の負担軽減(34.4%)」でした。これに続いて「請求書発行・発送業務の負担軽減(29.6%)」や「未回収リスクの低減(26.9%)」が挙がっています。
しかし、評価が変わった点についてもじっくりと考えてみる必要があります。導入前後で特に評価が変わったのは「業務効率」であり、事前の想定を上回る効果を感じている企業が多いことが確認されました。一方で、導入後のコストが想定より悪化したと感じられた企業も多く、コスト重視で選んだ企業の約7割が「後悔している」と回答しています。
後悔の理由
手数料の安さを重視した結果、実際に後悔の声として多く挙がったのは、「サポートの対応品質や迅速さに不満があった(52.9%)」というものでした。未回収リスクを軽減したつもりが、サポート不足が業務の足かせになることもあるようです。他にも「提供機能が必要十分ではなかった(41.5%)」や「システムの操作性・UIが期待を下回った(30.4%)」といった回答も見受けられ、手数料重視が逆に後悔につながることが浮き彫りになりました。
企業のニーズは変わる
決済代行サービスの継続利用を決める際に重視されるのは、何と言っても「サポート体制の充実度(33.9%)」です。コストや機能よりも、実際の運用を支えるパートナーの質が重要視されるという流れに変わりつつあります。また、トラブル時に迅速な対応を求める声も多く、日常の問い合わせや運用中のサポートも求められています。
まとめ
この調査結果は、決済代行サービスの選定においてはコスト面だけでなく、運用のしやすさやサポート体制にも目を向ける必要があることを示唆しています。一時的なコストに囚われず、ビジネスパートナーとしての適性を考えることで、企業の成長を支える基盤が築けるのではないでしょうか。今後のサポートニーズの変化にも注視し、より質の高いサービスを提供することが求められています。