糖尿病患者と医師に見る血糖値測定器の課題と期待
糖尿病患者は、日常の生活の中で血糖値を定期的に測定する必要があります。しかし、その際には多くの課題が存在するのが現実です。今回、LOOK TEC株式会社が1,022名の糖尿病患者及び内科医に実施した調査から、それらの課題や、特に非侵襲型血糖値測定器への期待についてお伝えします。
調査概要
本調査は、2025年4月9日から11日の間、PRIZMAを通じてインターネットで行われ、対象となったのはⅠ型糖尿病患者、Ⅱ型糖尿病患者、妊娠糖尿病患者、そして内科医の方々です。結果は、定期的な血糖値測定における様々な問題を浮き彫りにしました。
血糖値測定に関する患者の声
調査の結果、糖尿病患者の76.6%が自己採血型(SMBG)の血糖値測定器を使用していることがわかりました。この方法が一般的に利用されている一方で、針を使用しない非侵襲型の測定器への関心も高まっています。
患者が血糖値を測定する際の主な悩みは、採血時の痛み(30.9%)、測定が面倒(26.1%)、高コストな消耗品(16.0%)と報告されています。特に、痛みや手間に対するストレスが、定期的な測定を続けることへの障壁になっていることが明らかです。
非侵襲型測定器のニーズ
では、もし非侵襲型の血糖値測定器が使用できた場合、患者はどう感じるのでしょうか?調査結果によると、83.1%が興味を示し、特に測定時の痛みを軽減したいというニーズが高いことがわかりました。また、採血が不要で、精度が高い機器の開発を望む患者も多く、日常生活での負担を減らすことが求められています。
内科医の推奨と考え
それでは、内科医はどのように考えているのでしょうか?調査結果から、Ⅰ型糖尿病患者に対してはSMBGを推奨する声が約80%にのぼりました。その他の患者にはSMBGや持続グルコースモニタリング(CGM)を状況に応じて推奨することが多く、こうした機器の特長を理解した上で使用されています。
例えば、SMBGは確実な測定精度が評価される一方で、CGMは血糖値の変動をリアルタイムでモニタリングできる利点があります。患者ごとの病状や治療方針に応じて、最適な測定器の選定が行われています。
直面する課題
調査を進める中で、血糖値測定に関しては、「痛み」や「誤測定」「夜間測定の難しさ」といった課題が明確になってきました。医療現場では、これらの問題を解決するための新しい技術や手段が求められています。
非侵襲型血糖値測定器への期待には、痛みや不快感の軽減が最も高く、測定回数が増え、きめ細かな管理ができる可能性が指摘されています。加えて、肌への負担軽減や医療廃棄物の削減といった社会的な効果も期待されています。
未来への可能性
このように、血糖値測定における課題と期待は多岐にわたります。今後の技術発展、及び患者と医療従事者の意見を反映したイノベーションが、糖尿病ケアの新たなスタンダードを築くかもしれません。非侵襲型血糖値測定器の普及が実現すれば、日常の健康管理の持つ可能性が大きく広がるでしょう。これからの展開に期待が高まります。