地方自治体向け生成AI研修が始まる!業務効率化を推進する新たな取り組み
ユースフル株式会社が、2025年10月から地方自治体職員を対象にした生成AI活用研修をスタートさせることを発表しました。この研修は、「生成AI活用・業務自動化実践ワークショップ」として知られ、無償版と有償版のMicrosoft Copilotを使い、実地に役立つAI活用スキル習得を目指しています。
背景:DX人材不足の克服
最近の総務省の調査によると、地方自治体における生成AI導入率は59.4%と予測され、都道府県や指定都市ではその数字がなんと100%に達しています。しかし、これだけの導入が進む一方で、多くの自治体が抱える共通の問題は、AI活用に必要なスキルを持つ人材不足です。「行政デジタル化実態調査レポート2025」によれば、431の自治体のうち73%がスキルや研修不足を問題視しています。
生成AIを導入するだけでは効果が薄いという声も多く、職員が「自分ごと」としてAIを使いこなすためには、知識と実践力が必要とされています。そのため、ユースフルは、AIツールの操作だけでなく、業務改善と効率化を実現するための思考力を育むことに注力しています。
研修内容:生成AIを活用した業務改善のスキルを習得
ユースフルの研修プログラムは、受講者それぞれの業務課題にカスタマイズ可能です。具体的には、生成AIに関心があるが実際に使ったことがない職員を対象に、基礎的な操作から業務の効率化や自動化に向けた体系的なスキルを育成するものです。無償版および有償版Microsoft Copilotを使った具体的なプログラムは以下の通りです。
1.
業務に即した実践演習
Copilot Chatを用いた基本的な文章生成やデータ分析から始め、Microsoft 365ツールとの連携を学びます。実務との関連性を重視し、生成AIで如何に業務を効率化できるかを体験的に習得します。
2.
AIエージェント構築による自動化の設計
Copilot Studio Liteを利用することで、非エンジニアでも業務フローを自動化できる方法を学びます。具体的な案件として、議事録作成や財務分析、申請書の処理をサポートするエージェントの構築方法を習得します。
3.
生成AI活用のためのリテラシー教育
セキュリティやガバナンスを意識し、「どのデータをAIに入力するか」や「出力内容をどう検証するか」といったルールを学ぶことが必須です。また、高品質なアウトプットを得るためのプロンプト設計のノウハウも提供されます。
実践効果と地域への影響
生成AIがもたらす効果は徐々に地方自治体にも現れ始めています。例えば、約56万人の人口を抱える自治体では、申請書の読み取り業務にAIを導入した結果、年間約5,950時間の業務削減が実現しています。また、AIチャットボットによる問い合わせ対応の自動化や、保育所の入所選考におけるAIマッチングの活用が行われ、住民サービス水準の向上に貢献しています。
今後、ユースフルは自治体や企業におけるDX人材育成を強化し、生成AIを業務革新の基盤として位置づけるために、持続的な支援を続けていく方針です。生成AIを用いた新たな自治体の未来像の実現に向けて、共に歩んでいくことが期待されます。