BIPROGYと大日本印刷、量子技術を活用した物流業務効率化に挑む
2023年11月、BIPROGYと大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」において、量子技術やAIを利用した物流業務の効率化に向けた研究を本格的に開始しました。このプロジェクトは、2025年1月に実施された初期仮説検証の結果を受けて、ステージゲート審査を通過し、正式に本格的な研究フェーズに移行することが決定しました。
プロジェクトの目的と背景
BIPROGYとDNPは、それぞれの強みを活かし、量子アニーリングと古典AI技術を融合させた「量子・古典ハイブリッド技術」に取り組んでいます。この技術を用いることで、物流や交通の分野における配送計画や倉庫内作業などの最適化を目指しています。現在の物流業界は、人手不足や効率化の必要性が高まっており、この取り組みは非常に時宜を得たものと言えるでしょう。
研究開発の内容
BIPROGYのアプローチ
BIPROGYは、配送計画の効率化を果たすアプリケーションを開発しています。物流業務は、様々な制約条件に影響されるため、リアルタイムでの迅速な判断が求められます。このアプリケーションは、輸送コストやCO2の削減を見込んでおり、倉庫管理システムとの連携の強化も計画しています。特に、量子技術を利用した高度な最適化により、物流課題に新たな解決策をもたらします。
DNPの取り組み
DNPは、配送品のピッキングを効率化するためのアプリケーションを開発中です。これには、リアルタイムでの作業順序や移動経路の最適化が含まれており、作業状況に応じて計画を立案する技術が含まれています。シミュレーションの結果、従来の方法と比べて作業時間や移動距離が大幅に削減できることが示されています。これにより、物流作業における全体的な効率が向上する見込みです。
今後の展開
BIPROGYとDNPは、今回のプロジェクトを通じて、量子技術の社会実装に向けた更なるサービス展開を計画しています。生産年齢人口の減少や環境問題が叫ばれる中、このプロジェクトは物流業界における社会的な課題解決に貢献し、持続可能な未来を実現する要因となるでしょう。両社は今後も協力し、革新的な技術を駆使して物流業務の効率化を進めていくため、引き続き研究開発を進める方針です。
まとめ
BIPROGYとDNPによる量子技術の導入は、物流業務に革新的な変化をもたらす可能性を秘めています。今後の研究成果に期待が高まる中、両社は協力してこの分野の先導役を担うことになるでしょう。この期待される効率化の波が、物流業界全体に波及していくことを願っています。