災害時医療の未来
2025-10-08 15:43:46

フィリップスが提案する災害時医療の未来とは?セミナーで明かされた新たな取り組み

フィリップスが提案する災害時医療の未来とは?セミナーで明かされた新たな取り組み



東京都港区に本社を置くフィリップス・ジャパンは、2025年9月30日、麻布台の本社で災害時医療に関するプレスセミナーを開催しました。このセミナーは「Philips Future Health Index 2025日本版」(FHI2025)の発行記念として行われ、オランダ王国大使館や一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の後援を受けました。

災害に備えるためのより良い医療の提供を目的に、フィリップスは今回のセミナーで近年の自然災害の増加に伴う医療体制の整備や再構築の必要性について議論を交わしました。特に日本では、地震や洪水などの自然災害が頻繁に発生しており、2026年には防災庁の設置が計画されています。その中で医療機関のBCP(事業継続計画)の見直しが重要課題となっています。

開会の挨拶とFHI2025の内容



セミナーの開会の挨拶に立ったフィリップスの代表取締役社長CEO、ジャスパー・アスエラス・ウェステリンク氏は、フィリップスの理念や事業の展望に加え、FHI2025の結果について詳しく説明しました。
この調査では、日本の医療現場におけるAIやテクノロジーの受容度が依然として低く、医療従事者と患者の間に大きな認識のギャップが存在することが判明しています。医療従事者はAIの活用に前向きである一方、患者は懐疑的であることが多いというデータが示されました。しかし、医師を通じての説明で84%の患者が抵抗感を減らし、ポジティブに受け入れる姿勢を見せることが分かりました。

災害時医療のトークセッション



次に、災害時医療をテーマにしたトークセッションが行われました。日本赤十字社の植田信策氏が登壇し、医療現場における予測型行動(Anticipatory Action)や地域医療の強化についての課題を共有しました。2011年の東日本大震災の際、適切な事前準備があったことが、医療機関の初動を迅速化した事例を紹介し、日常からの運用と災害時の対応がサイクルとして重要であると提言しました。

続けて、フィリップスの門原寛氏が医療機器の設置やインフラに関する提言を行いました。津波や洪水からの守りを強化するためには、設置型医療機器を高層階に設置することが効果的ですが、過去の自然災害では装置が損壊するケースも多く見られました。そんな中、フィリップスのヘリウムフリーMRI「BlueSeal」は、軽量化とクエンチ配管が不要という技術的な利点により、この問題を克服する一助となっています。実際、国内外での導入例も多数あります。

未来の地域医療の考え方



春日井市民病院の成瀬友彦氏が、その地域に特化した災害対策について発表しました。春日井市では、地震発生時の医療拠点としての役割を果たすため、災害訓練の強化やDX化に取り組んでいます。デジタル化の進展によって、情報の共有や効率的な運営が図られるとともに、より迅速な対応が可能になると期待されています。

パネルディスカッション



セミナーの最後にはパネルディスカッションがあり、各登壇者がそれぞれの課題について深く掘り下げました。医療現場でのネットワーク構築や緊急時の人員確保についての意見交換が行われ、自治体や政府の支援の重要性が強調される場面もありました。また、医療機器の復旧がどれだけ重要であるかについての意見が集中しました。特に過去の大規模災害において経験した点を踏まえ、医療の備えには事前の構築が必要不可欠であると理解されました。

このようにフィリップス・ジャパンが開催したセミナーでは、災害時医療の未来に必要な技術や体制が具体的に議論され、参加者は新たな知見を得る貴重な機会となったことでしょう。今後もフィリップスは、より多くの人々へ質の高い医療を提供するための努力を続けていく方針です。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

関連リンク

サードペディア百科事典: 災害医療 フィリップス FHI2025

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。