システム開発における予算超過と納期遅延の実態
システム開発では、「予算」と「納期」が常に大きな課題となっています。予算の膨張や納期の遅れは、プロジェクトを成功させる上で最も気にかけられる点です。最近、107人のシステム開発経験者に対して行った調査からは、この2つのテーマに関する驚くべき実態が明らかになりました。
調査の概要
この調査は2025年4月16日から5月26日の間、株式会社クラウドワークスを用いて実施されました。プログラマー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、ディレクターなど、さまざまな職種の専門家が対象です。
予算に関するトラブルの実態
調査の結果、44.8%の回答者が予算に関するトラブルや失敗を経験したと回答しています。具体的には、次のような問題が挙げられました。
- - 仕様が曖昧で予算だけ決まっていた:最も多くの回答があり、38.32%がこの問題を指摘しました。具体的な仕様が定まっていない状況では、予算内でプロジェクトを収めることは相当に難しくなります。
- - 仕様変更による工数増加:続いて36.45%がこの要因を挙げました。このように、途中で仕様が変わると、当初の見積もりが大きく変動し、見込み以上のコストが発生することが多いです。
一方、「予算に関するトラブルはなかった」という人は14.95%とわずかでした。このことは、業界の特性として、予算が現実的でない案件は契約に至らないため、相対的にトラブルの多さが少なく見える可能性があると考えられます。
納期に関するトラブルの実態
納期についても同様の調査を行ったところ、70%以上の回答者が何らかの納期トラブルを経験していることがわかりました。問題の多くは以下の点に集約されます。
- - 要件や仕様の変更:55.14%がこの問題を挙げており、プロジェクトが進むにつれ要求が変わることが、納期の遅れを生じさせていることが明らかになりました。
- - 発注者の非現実的な納期:31.78%の回答者は、発注者から設定された納期が現実的ではなかったと報告しました。この点については、発注者側の組織構造や意思決定の流れが大きく関与していることが示唆されています。
納期を守るために
開発側の努力だけで納期を守れるわけではなく、発注者側の協力が非常に重要であることが、この調査で浮き彫りになりました。納期を守るためのプロジェクト成功には、開発者と発注者の双方の理解と協力が求められます。
結論
本調査から、システム開発における予算と納期のトラブルは驚くほど多く、様々な要因が絡んでいることが分かりました。有効な対策を講じるためには、発注者と開発側のより良いコミュニケーションが欠かせません。今後のプロジェクト運営においては、しっかりとした要件定義と、現実的な予算感を持つことが成功の秘訣となるでしょう。
さらに詳しい情報
詳細な調査結果は、
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