積水化学が初のグリーンボンド発行へ、2030年に向けた持続可能な社会の実現への一歩

積水化学が初のグリーンボンドを発行予定

積水化学工業株式会社は、サステナブルな社会の実現を見据え、初のグリーンボンドを2025年9月に発行することを発表しました。今回はこのボンドが持つ意義とその背景について詳しく探ってみましょう。

グリーンボンドの概要

今回発行予定のグリーンボンドの名称は「積水化学工業株式会社第8回無担保社債」（社債間限定同順位特約付）であり、5年間の発行予定、総額200億円となっています。資金は、主にペロブスカイト太陽電池に関する設備投資及び研究開発に充当される予定です。新技術の開発により、持続可能なエネルギーへの移行を後押しします。

このグリーンボンドは、大和証券株式会社がストラクチャリング・エージェントとして関与し、主幹事には大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村證券、みずほ証券が参加しています。このように、多くの証券会社がサポートすることで、資金調達の信頼性が高まることが期待されます。

グリーンファイナンス・フレームワークの整備

積水化学は、グリーンボンドの発行とともに「グリーンファイナンス・フレームワーク」を新たに策定しました。このフレームワークには、調達資金の利用法やプロジェクトの評価基準、資金の管理方法、さらには報告手順など、4つの重要事項が含まれています。これにより、透明性のある資金運用が約束され、企業としての責任が強調されます。

さらに、外部機関である格付投資情報センターから評価を受けており、国際資本市場協会（ICMA）の「グリーンボンド原則2025」および環境省の「グリーンボンドガイドライン（2024年版）」との適合性が確認されています。これは、投資家の信頼を得るためにも重要な要素です。

ペロブスカイト太陽電池の役割

ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコンに代わる新しい太陽電池技術として注目されています。高効率である一方、製造コストが低く、環境負荷も小さいとされています。この新技術の研究開発は積水化学のサステナブルなビジョンに合致しており、グリーンボンド発行の資金使途としてふさわしいものと言えるでしょう。これにより、再生可能エネルギーの普及を加速させることが期待されています。

今後の展望

積水化学のグリーンボンド発行は、単に資金調達の手段だけではなく、サステナブルな社会づくりに向けた重要なステップと位置づけられています。企業の社会的責任を果たしながら、その技術力を活かして新しい未来に貢献する姿勢は、多くのステークホルダーにも良い影響を与えるでしょう。今後の動向にも注目が集まります。

積水化学は、持続可能な開発の実現に向けて、一歩ずつ確実に前進しています。今回のグリーンボンド発行が、持続可能な社会への道を切り開く一助となることを期待しましょう。