三島のウイスキー蒸留所に響くアートの声
静岡県三島市に新たに創り出された美しい壁画が、ウイスキー蒸留所の倉庫の外壁を飾ります。このプロジェクトは、株式会社OVER ALLsとWhiskey&Co.のコラボレーションによって実現したもので、物々交換を通じて行われました。これまでになかったユニークな試みが注目を集めています。
壁画制作の経緯
OVER ALLsは、アートを通じて社会と対話を図ることを目的としたミューラルアート会社です。一方、Whiskey&Co.は日本流のバーボンスタイルウイスキーの製造を行っています。両者は、アート制作の対価として、Whiskey&Co.のカスク・ウイスキーのオーナー権を受け取り、物々交換の形で価値を創出しました。このプロジェクトは、資本を介さず価値あるモノ同士の直接的な交換として、アートの新たな可能性を提示しています。
その背景にはOVER ALLsのコンセプト「Beautiful Noise」があり、日常生活にちょっとした揺らぎをもたらすことで社会との対話を促すという意図が込められています。この考え方は、今回の壁画制作においても変わらず、街の中に描かれる作品が持つ意味を深く考えさせられます。
壁画の作品概要
今回の壁画は、静岡県三島市長伏と大社町にそれぞれ描かれています。まず、長伏にある倉庫の外壁には、H7.2m×W17.7mの大きなもので、内部にも文字面が配置されています。こちらは、ウイスキーの製造過程における「天使の分け前」という文化からインスパイアを受けた作品で、ウイスキーが樽内で熟成される過程を象徴しています。
次に、大社町の倉庫には、H5.5m×W6mの作品があり、Whiskey&Co.が製造するジン「Teen Spirits」のパッケージデザインとしても使われています。この作品は、元々OVER ALLsのオフィスの壁に描かれていたものを再度倉庫にアートとして展開しました。
未来へのメッセージ
OVER ALLsの代表である赤澤岳人氏は、アートによる社会貢献を強く信じています。技術や工夫を通じて、地域に根づく価値を高めることが、一過性のイベントではなく、持続可能な発展へと繋がると考えています。このミューラルプロジェクトは、アートとウイスキーが交わることで、地域の人々や訪れる人々に新たな視覚体験を提供し、日常生活に少しでも触れ合うきっかけとなることでしょう。
まとめ
三島のウイスキー蒸留所でのアートとウイスキーの融合は、物々交換という新たな形で実現されています。美しい壁画を通じて、私たちはこの地域とそこにある文化について考えさせられます。この取り組みが今後どのような発展を遂げるのか、注目が集まります。