最新の技術活用で地域防災を強化する長岡京市の取り組み

防災の新たな形：長岡京市での取り組み

9月4日、京都府長岡京市にて全市を対象にした災害対応訓練が行われました。本訓練の名称は「スマホで避難報告」で、市民が自宅や車など避難の状況をLINEを通じて報告し、必要な支援を受けられる仕組みが試されました。この取り組みは、スマートフォンが普及する中で、避難所以外にいる被災者の支援を円滑に行うために生まれたものであり、新たな防災のモデルとして注目されています。

訓練の目的と背景

近年、各地で発生している自然災害に伴い、避難所に行かない選択をする住民が増加していることが明らかになっています。特に、高齢者や乳幼児を抱える家庭では、避難所に行くことが難しいため、自宅や車中などで避難生活を選ぶことが多くなっています。そのため、彼らをどのように把握し、支援を行うかが重要な課題となっています。長岡京市には、大規模災害発生時でも地域住民が迅速に支援を受けられる体制が求められています。

本市では、LINEの公式アカウントが登録者数で人口を上回る状況にあり、アクティブユーザーも多いため、訓練にこれを利用します。これにより、市民は平常時と同様の操作感でスムーズに災害時の情報提供が受けられます。さらに、2025年には「災害対策基本法」が改正され、支援の方針が「避難所にいる人」から「どこにいても支援が必要な人」へと変わりました。これに伴い、より多くの市民が支援を受けられるようにする取り組みが進められています。

訓練の詳細

訓練の実施日は2025年の9月4日、午前9時から正午まで行われます。訓練名は「LINE公式アカウントを活用した災害対応訓練」で、対象者は全市民です。訓練は、市役所の新庁舎や神足公民館などで行われます。

訓練のプロセスは以下のとおりです。

1. 訓練開始時に市のLINE公式アカウント登録者にメッセージを送信。
2. 市民は氏名や住所、避難状況、不足している物資などの情報をLINEで報告。
3. 市はその情報をもとに、どの被災者がどこにいるかを確認。
4. 必要に応じて、市民に物資搬送予定を伝え、支援を行います。

さらに、訓練ではマイナンバーカードを活用し、氏名や住所が自動で入力できる仕組みも導入されています。これにより、スマホ操作に不安がある方でも容易に参加可能となっています。

実施に向けた意義

長岡京市の市民協働部防災・安全推進室の柿原晃監は、災害発生時の基礎自治体の役割がいかに重要かを強調しています。効率的かつ効果的な災害対応は復旧・復興のプロセスに大きく影響を与えるため、デジタル技術の活用が不可欠だと言います。これからも、簡単に情報を得られる仕組みを市民に提供し、一人でも多くの人を災害から守るために取り組んでいくことが求められています。