環境保全を推進する技術賞受賞
2025-05-15 21:00:26

三菱重工サーマルシステムズ、低GWP冷媒で環境保護に貢献し技術賞を受賞

三菱重工サーマルシステムズが冷凍空調学会賞を受賞



三菱重工サーマルシステムズ株式会社は、2024年度の日本冷凍空調学会主催の技術賞を受賞したことが発表されました。受賞した製品は、同社のターボ冷凍機「JHT-Y/JHT-YIシリーズ」であり、特に低GWP(地球温暖化係数)冷媒であるHFO-1234yfを活用した点が評価されました。表彰式は5月15日に東京都内で行われ、多くの関係者の期待を背負っています。

日本冷凍空調学会の技術賞は、冷凍・空調技術の進歩に大きく寄与した業績に贈られるものであり、これは三菱重工グループの基盤を支える重要な受賞です。同社は過去にも2002年度、2015年度に続いての受賞であり、技術力の高さを再確認させる結果となりました。

JHT-Yシリーズの特徴と性能



JHT-Yシリーズは、固定速機とインバータ機の2タイプがあり、300トンから5400トンまでの容量に対応しています。特に、大規模データセンターにおいて要求される容量(2500~3000トン)に完璧にマッチする設計となっています。新しい圧縮機を採用することで、定格COP(成績係数)は最大で6.4、インバータ機のIPLVも8.8を達成。このように高効率を実現しつつ、圧縮機を小型化することで省スペース性も追求した製品です。

さらに、JHT-Yシリーズは多用途に対応可能であり、空調用途だけでなく、暖房や飲料工場の低温加熱などにも利用されています。従来の高GWP冷媒を使用していた製品からこの新シリーズに切り替えることで、電力消費量とCO2排出量を年間約65%も削減できることが実証されています。

環境負荷を軽減する新しい冷媒HFO-1234yf



使用されているHFO-1234yfは、GWP値が1未満でオゾン層破壊係数(ODP)がゼロという非常に環境に優しい冷媒です。これにより、フロン排出抑制法の適用を受けず、より持続可能な冷却ソリューションとしての地位を築きつつあります。従来の高GWP冷媒の使用から転換が求められる中、三菱重工サーマルシステムズのステータスが上がるのは必然的な流れです。

2025年以降にはさらに厳しい規制が控えていますが、これに対しても同社は低GWP冷媒機器への迅速な転換を図ることで、環境保全に寄与していく意向を示しています。

成長する市場と未来への展望



三菱重工サーマルシステムズは工場空調や地域冷暖房向けに多くのターボ冷凍機を提供し、日本国内でのトップシェアを誇ります。低GWP冷媒を使用した製品ラインは、150トンから5400トンをカバーしており、今後も高性能製品の開発に注力していく方針です。この取組みは、地球規模での環境問題解決への貢献へとつながることが期待されています。

このように、三菱重工サーマルシステムズの受賞は、同社の技術革新および環境意識を前面に押し出した結果であり、業界内外からの期待が高まっています。冷凍機のさらなる発展により、未来の持続可能な社会の形成に寄与できることが期待されます。


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