九谷焼を再生!テラゾーベンチの魅力
2024年11月20日、東京都世田谷区の玉川髙島屋ショッピングセンター本館2階にて、九谷焼の陶磁器片を活用した独特なテラゾーベンチが公開されました。このベンチは、石川県能美市に本社を置く株式会社CACLと、永山祐子建築設計のコラボレーションにより誕生しました。
テラゾーベンチとは?
テラゾーベンチは、廃棄寸前の九谷焼の陶磁器片と、大理石の端材をブレンドして作られた、サステナブルなデザインのベンチです。九谷焼はその美しさゆえに多くの支持を集めていますが、製造過程での小さな傷や斑点によって約1割が規格外品となり、廃棄される現状がありました。この状況を打破し、陶磁器片を新たな形で活用する試みがテラゾーベンチなのです。
背景にある想い
CACLは、九谷焼の産地である能美市において、規格外の陶磁器片をアートやマテリアルとして再利用する活動を展開しています。特に、令和6年の能登半島地震後には多くの破損した陶磁器が回収され、再利用の可能性が広がりました。震災で傷ついた素材を新たな形で蘇らせることで、社会的な意義も持たせたこのプロジェクトは、全国的に注目されています。
施工のポイント
永山祐子建築設計は、このベンチの制作に際し、テラゾーの骨材として大きなサイズの九谷焼陶磁器片を意識的に使用しました。プロジェクトの進行においては、骨材の見え方や配置を想像し、細心の注意を払って施工が進められました。特に、円形の形状は川原の石をイメージしており、自然とのつながりを感じさせるデザインが特徴です。
訪れる価値
玉川髙島屋の2階には開放的なシーティングスペースも設けられており、テラゾーベンチが配置されています。訪れた人々は、ベンチに座ってゆったりとした時間を過ごすことができます。使用されている陶磁器片には、元の形状がわずかに残っているものもあり、訪問者はそれを探す楽しみも味わえます。
アップサイクルの未来へ
テラゾーベンチの公開を通じて、製造過程で排出される廃材が新たな価値を持つ素材として再活用されることを示しています。CACLでは、障害福祉事業も展開し、陶磁器片の研磨作業を通じて地域の方々が新たな職場環境を得ることに貢献しています。これにより、地域の課題解決はもちろん、持続可能な社会づくりにも大きく寄与しています。
訪問情報
テラゾーベンチは、2024年11月20日より玉川髙島屋S・C本館2階で見ることができます。美しいデザインと、サステナビリティを意識した新しい形のベンチを是非体験してみてください。この機会にアップサイクルの魅力に触れてみるのも良いでしょう。今後、CACLの活動がどのように進化していくかにも注目が集まっています。