双日、豪州のライナス社からレアアースの輸入を始める
双日、豪州のライナス社からレアアースの輸入を開始
双日株式会社は、日本国内に向けたレアアース(重希土類)の輸入を始めたことを発表しました。このレアアースは、豪州のLynas Rare Earths Ltd(ライナス)によって製造されており、西オーストラリア州にあるマウント・ウェルド鉱山で採掘された鉱石が原料です。これまでに日本向けの重希土類の輸入は例がなく、重要な一歩となります。
レアアースは近年、さまざまな産業で需要が急増しており、「産業のビタミン」とも称されています。特に、電気自動車や産業ロボットなど、最新の技術製品に欠かせない要素を担っています。レアアースを利用することで、金属の磁力や耐久性を向上させることが可能になるため、今後の技術革新には不可欠です。
双日は、1960年代に日商岩井としてレアアースの取り扱いを始め、その後も取り組みを強化してきました。2011年にはライナス社との独占販売契約を締結し、これまでに複数回の出融資を行ってきました。2023年3月には、ジスプロシウムやテルビウムといった重希土類の日本への供給を確保し、商業生産のための事業開発を進めています。
双日の取り組みは、日本国内におけるレアアースのサプライチェーンの多角化を目指しており、安定的な供給体制の構築を目指しています。今後もライナス社との連携を深め、国内市場における影響力を更に高めていくことでしょう。
ライナス社の概要
ライナスは、1983年に設立され、オーストラリアのパースに本社を構えています。現CEOのアマンダ・ラカゼ氏が率いる同社は、レアアースの採掘や分離・精製において高い技術を持ち、国際的な競争力を持っています。今後、ライナスと双日とのさらなるパートナーシップが期待されます。
日本におけるレアアースの供給確保は、今後の産業発展において非常に重要です。双日はこの輸入により新たなビジネスチャンスをつかむと同時に、安定供給網の強化を図り、日本市場のニーズに対応していくでしょう。これにより、エコカーの普及やテクノロジーの進化に貢献することが期待されます。
最後に、レアアースを巡る国際競争がますます厳しくなる中で、双日のリーダーシップと技術の高さが市場での競争優位性をもたらすとともに、環境や経済にも良い影響を及ぼすことが望まれます。