「めざせ元気シニア せたがやデジタルポイントラリー」
東京都世田谷区では、高齢者を対象にした新しい取り組み「めざせ元気シニア せたがやデジタルポイントラリー」を展開しています。このプロジェクトは、外出を通じて地域活動を促進し、高齢者が健康的な生活を送るためのインセンティブを提供するものです。実施期間は2026年3月19日までで、地域内の307ヶ所の店舗や施設を訪問することで、デジタルポイントを獲得できる仕組みとなっています。
この事業は、渋谷に本社を置くジョージ・アンド・ショーン株式会社が世田谷区の委託を受けて運営しています。同社は、ヘルステックやヘルスケアAIの分野で新しいサービスを展開しており、高齢者のデジタル活用と外出促進に注力しています。
アプリを活用した新しい外出の形
参加者は特別に開発されたアプリを使用し、チェックインを行うことでポイントを獲得します。これにより、地域の商店街や施設を訪れる楽しさが増すとともに、外出の機会が広がります。高齢者の外出頻度が増加することが期待され、実際の参加者の調査結果からも、その効果が表れています。ここで重要なのは、デジタルツールに不慣れな高齢者を対象とした操作説明会を定期的に設けている点です。これにより、アプリ操作への不安を軽減し、スムーズな参加を促進しています。
目指すは地域全体の活性化
このプログラムの目的は、外出を促すことで高齢者の健康を維持し、地域のにぎわいを創出することです。297スポットには飲食店や商店なども含まれ、地域内での回遊性が高められています。具体的には、あらかじめ設定されたチェックインスポットを訪れることでポイントを獲得し、それを地域通貨として使用することができるため、経済的なメリットも享受できます。
参加者の声と成果
前年度の成果においては、2400名以上の高齢者がアクティブにアプリを利用し、参加者満足度は驚異の99%を記録。参加者からは「知らなかった地域を知ることができた」「よく歩くようになった」との声が寄せられ、出歩きの意欲を高める取り組みとして大きな成果を挙げています。特に、デジタルに触れる機会が少なかった高齢者が自らスマートフォンを操作し、外に出かけるようになったことは、今後の地域支援モデルとしても再現可能な成果と言えます。
G&Sの将来的な取り組み
G&Sは参加者の健康維持と地域活性化を両立させるため、今後も外出支援策を強化し続けます。2025年度からは、セブン-イレブン店舗や地元商店街との連携を強め、地域に根付いた仕組みを構築しています。また、高齢者のデジタルリテラシー向上とともに、介護予防の機会をさらに拡充していく方針です。新しい施策としては、歩数計アプリの導入や臨時スポットの設置を考えており、参加者がより楽しめるような工夫を凝らしていく予定です。
おわりに
この「めざせ元気シニア せたがやデジタルポイントラリー」は、単なる外出促進に留まらず、高齢者が地域コミュニティとつながるきっかけとなる取り組みです。外に出て人と交流し、地域活動に参加することが、彼らの健康や生活の質を向上させる大切な一歩になることを期待しています。今後、世田谷区の取り組みが、他の地域にも波及し、さらに多くの高齢者の健康と活力が促進されることを願っています。