加速する世界のIT人材育成、日本は供給力に課題
国際的なデータをもとに、IT分野における人材供給の現状が明らかになりました。ヒューマンリソシア株式会社の調査によると、IT専門教育を受けた卒業者数が前年より11.1%増加し、過去5年間では35.2%の増加を記録しています。これは、世界中でIT人材の必要性が高まっていることを示すものです。
米国では、毎年25.1万人のIT卒業者を輩出しており、年間平均で8.8%の成長率を誇ります。一方、日本のIT卒業者数は4.8万人で、伸び率は2.2%にとどまっており、G7の中で最も低い結果となっています。日本のIT人材供給力が伸び悩む中、今後のデジタル競争力が懸念されます。
世界的なIT卒業者数の推移
OECDのデータを基にした本調査では、42カ国を分析しており、IT分野での人材供給力が世界規模で強化されていることが判明しました。特にSTEM(科学、技術、工学、数学)の領域でも、前年からの卒業者数が0.9%増加し、3年連続の成長を遂げています。これからの時代、ITエンジニアの人数は3,000万人を超える見込みであり、各国の高等教育機関からの人材輩出がその土台となっています。
日本の現状と課題
日本においては、IT分野の需要に対して供給が追い付いていない状況です。特に知識・スキルを持つ高度なIT人材が不足しており、専門教育を受けた修士や博士課程の修了者の割合も15.9%と低い水準にとどまっています。この数値は、OECD諸国の平均25.9%を大きく下回っており、日本の教育システムの改革が必要です。
日本のIT人材がG7で競争力を持続するためには、教育機関がより一層の取り組みを行い、特に大学院教育において高度なスキルを持つ人材の育成を強化する必要があります。さらに、文系出身者がエンジニアとしての道を歩むケースも増えていますが、専門的なITスキルを持つエンジニアの数を増やすことが重要です。
国際的な協力の重要性
特にインドのように年間55.9万人のIT卒業者を輩出する国と比較した場合、日本の人材育成の遅れが際立ちます。IT分野はグローバル化が進んでおり、海外の人材を積極的に活用することが、日本のデジタル競争力を向上させるカギとなるでしょう。ヒューマンリソシアの「Global IT Talentサービス」などを利用して、国際的な人材の採用を促進し、国内企業のニーズに応えていくことが求められます。
今後、日本がデジタル時代において競争力を持続するためには、IT人材の育成とともに国際的な人材活用を進めていくことが急務です。