冬が近づくにつれ、雪が積もる場所では除雪機が必要となります。しかし、使用を誤ると重大な事故に繋がる可能性があります。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)から発表された情報によると、2015年度から2024年度の間に、除雪機による人的被害が報告されたケースは38件。その多くは使用者の不注意や誤用によるものです。このため、冬が来る前にしっかりとした準備と安全な使用法を確認することが大切です。
過去の事故データを振り返る
これまでのデータから、2023年度は降雪量が平年より少なかったこともあり、除雪機による事故が0件に収まりました。一方、2024年度に入ると雪が多くなる予測がされており、事故リスクも高まる可能性があります。特に12月は事故発生が増える傾向が見られ、年々高齢者の事故が増加しています。これは、除雪作業に従事する多くが高齢者であることに起因しています。
事故を防ぐための安全対策
除雪機を安全に使用するためのポイントは以下の通りです。
1.
安全機能を無効化しない。
安全機能を解除すると、転倒時に除雪機が作動し続けて危険です。デッドマンクラッチ機構などは必ず適切に使用しましょう。
2.
周囲の状況に注意を払う。
特に後退時には、障害物や人が周囲にいないか確認し、転倒や挟まれないよう注意が必要です。
3.
他人がいる時は使用しない。
除雪作業をする際には周囲に人がいないことを確認し、エンジンを掛けたままその場を離れないようにしましょう。
4.
雪詰まりはエンジンを切ってから。
雪が詰まったら、必ずエンジンを切り、雪かき棒を使って安全に取り除きます。
5.
屋内での使用に注意。
除雪機のエンジンの排気には一酸化炭素が含まれており、閉め切った場所での使用は非常に危険です。条件を整えたうえで屋外での作業を行ってください。
事故の事例をしっかり学ぶ
過去の除雪機に関連する事故は、多くが使用上の不注意から発生しています。特に死亡事故は『除雪機に巻き込まれる』『下敷きになる』ケースが目立ちます。こうした事例を基に、自身や家族にしっかりと安全意識を持たせることが重要です。
NITEでは事故情報を公開し、消費者が事故を回避できるように様々な情報を提供しています。使用者としては、情報を正しく理解し、賢く除雪機を活用することで、冬の厳しい環境と安全に対峙できるでしょう。冬を目前に控え、いまこそ除雪機の正しい使い方について再確認し、事故のない冬を迎えましょう。以上のポイントを意識して、冷え込む季節にも事故を未然に防ぎ、安全な除雪作業を実践しましょう。