新任チーフ育成の新しいアプローチ:実務を通じた判断経験の重要性
リクエスト株式会社が発表した実務資料『チーフから始める 判断デザイン』は、新任チーフ層への育成において、従来の役割説明に留まらず、実際の業務の中で判断経験を得る重要性を強調しています。この10ページにわたる資料は、980社・33.8万人のデータを基にした内容で、特に主任や係長、チームリーダーといった最初のリーダー層に焦点を当てています。
チーフとしての新しい役割
チーフとは、単に業務を担当するだけでなく、周囲の業務を前に進める役割を担う存在です。昇格に伴い、求められる成果が自分だけでなく周囲にも関わるようになり、周囲の仕事が進んでいるか、メンバーが判断できているかなど、見るべき範囲が広がります。そのため、チーフに求められるのは、業務の成果を確保するための判断力です。
判断経験を育む必要性
多くのチーフ昇格者は、顧客とのコミュニケーションや問題解決などの実務経験を持っています。しかし、単に経験を重ねるだけでなく、それをどのように次の役割で生かすかが重要です。昇格する際に考えるべきは、これまでの経験が周囲の成果につながるかどうかという点です。
新任チーフ育成プログラムの概要
リクエスト株式会社は新任チーフ育成を次のように再定義しました。役割を教えるだけでなく、実務中に判断経験を設計する育成方法。具体的には、知識を身につけるだけでなく、何を確認し、何を判断し、誰に相談するのかといった具体的な行動指針を考えることが求められます。
判断の状態を見極めることが不可欠
新任チーフ育成において重視されるのは、本人の意欲や能力だけではなく、判断できる環境を整えることです。判断できるようにするには、必要な情報が揃っているか、目指す業務が明確か、相談すべき境界がはっきりしているかを確認することが不可欠です。この視点を持つことで、人材育成と業務設計を一元的に考えることができます。
任せると放すの違い
人を育成するには「任せる」ことが重要ですが、任せ方が曖昧だと不安を生み出します。全てを自分で判断させることが育成とは言えず、逆に管理し過ぎては経験が得られません。チーフは、本人に判断させる範囲を明確にし、何を守るべきか、誰に相談すべきかをはっきりさせることで、少しずつ判断を任せる環境を整えます。
問いを通じて意思決定を支援
また、チーフはメンバーに対して答えを教える前に、判断に必要な問いを提供することが求められます。これにより、メンバーは自らの目で事実や条件を見る習慣を身につけることができます。経験の豊富なチーフは答えを直ちに提供することができますが、それではメンバーの成長が阻害される可能性があります。
AI時代における判断力育成
生成AIの活用が進む中で、情報の整理や選択肢生成が容易になっています。ただし、AIの答えをそのまま受け入れてしまうのではなく、人がしっかりと判断できる状況を設けることが重要です。人が担うべき判断の地点を明確にし、AIの力を取り入れながらも、人の判断力を高める方向へ進むべきです。
日常業務の中での研修の重要性
『チーフから始める 判断デザイン』が目指すのは、研修だけに留まらず、その後の業務における実務経験を重視している点です。実際の仕事を選び、小さな判断を任せ、その後の反応を見て振り返る。このプロセスを何度も繰り返すことで、判断力は徐々に鍛えられていきます。
有効な活用方法
この資料は、特定の企業や業界に限らず、幅広い場面で活用できます。昇格前後のOJTや上司との1on1、次世代リーダー育成など、多様なシーンでの適用が期待されます。育成において大切なのは、ただ単に新しい研修を増やすのではなく、現在の仕事を新しい形で見直し、判断経験が残るものにすることです。
結論
リクエスト株式会社が推進する新任チーフ育成プログラムは、役割の説明を超え、実務を通じて判断力を鍛える重要性を訴えています。組織の中での判断経験が、単なる成果の向上にとどまらず、個人の成長や組織全体の力を高める礎となることを目指しています。成果の生み出し方が変わることで、より良い組織を築く基盤となっていくでしょう。