悪性脳腫瘍への治療を革新する「PDTシートII」の発表
2025年7月、株式会社河野製作所から新たに登場する医療機器「PDTシートII」は、悪性脳腫瘍の治療における光線力学的療法(PDT)の実施をサポートするために開発されました。これにより、術後の再発予防が期待され、脳神経外科医師たちにとって有力なツールとなるでしょう。
製品開発の背景
河野製作所は、長年にわたり医療機器の開発に精力を注いできました。特に、手術で必要とされる製品に特化し、尖った技術力で市場に貢献しています。「Cirrax」などの製品が、その象徴とも言えます。悪性脳腫瘍の治療において、PDTを適切に行うためには、レーザー光を遮断する医療機器が欠かせませんでしたが、これまで専用のソリューションが存在しませんでした。そこで、同社は脳神経外科医師からの声を受けて、PDTシートIIの開発に着手したのです。
PDTシートIIの特徴と機能
PDTシートIIは、不織布で構成され、二枚の布の間にアルミ箔を挟むことで、レーザー光から腫瘍周辺を効率的に遮光する設計となっています。具体的な使用法としては、帯形のものを用いて腫瘍周辺の血管へのレーザー光の照射を防ぎ、丸型のものは照射完了エリアをしっかりと守ります。これにより、複数のレーザー照射を行う手術において、医師はより正確な治療を実施することができます。
安全性と使いやすさを追求
PDTシートIIには患者に優しい素材が採用されており、レーザー照射中にシートが組織とくっついてしまうことを防ぐ工夫が施されています。これにより、シートを剥がす際の組織傷害リスクを軽減し、患者に対してより安全な医療が提供されます。また、手術中には生理用食塩水に浸して使用されるため、シートの上に書かれた目印がにじみにくく、情報を維持することが可能です。
今後の展望
2025年7月に新たに市場に登場するPDTシートIIは、悪性脳腫瘍の治療において画期的な進歩をもたらすことが期待されています。河野製作所は、今後も医療界のニーズを捉えた製品開発に力を入れ、より良い医療環境の構築を目指していくことでしょう。さらに、藤田記念病院との共同研究を進めるなど、治療法の確立にも貢献しています。
会社概要
河野製作所は1970年に設立され、手術用医療機器の開発・製造・販売を手がけてきました。技術革新を続け、国内外での医療現場において信頼される製品を提供することを使命としています。設立以来、医療機器の分野で多くの進展を遂げ、近年では「世界最小の針」や、脳神経外科向けの新製品も発表しています。今後も、患者・医療者双方に優しい製品の開発に力を注いでいくことでしょう。
詳しい情報は、
河野製作所の公式ウェブサイトをご覧ください。