自治体DXの現状と旅費法改正の影響
日本の自治体は、2025年4月の旅費法改正に対応すべく、各種業務の見直しを迫られています。この法律は、1950年以来の大規模な改正であり、宿泊費の実費支給化や日当の廃止を含んでいます。しかし、その実施において多くの自治体が直面しているのが業務負荷の増加です。
一般社団法人 自治体DX推進協議会(GDX)が実施した調査では、321自治体における旅費業務の現状が明らかになりました。その結果、約45.2%の自治体で業務負荷が増大していることがわかりました。調査の背景には、改正旅費法への対応が工程として立ち上がっている反面、過去の運用方式からの移行が追いついていない状況があります。
調査結果の概要
この調査は、全国の旅費業務担当者を対象に実施され、いくつかの重要な結果が得られました。まず、63.9%の自治体が条例の改正に着手していることがわかりましたが、その進行状況はまちまちです。実際には、28%の自治体が「時期未定」と回答しており、まだまだ完了には至っていない状況です。
宿泊費については、57.3%の自治体が完全実費支給へ移行済みで、14%は依然として定額支給を続けています。このような分かれた運用方針は、自治体ごとの判断によるものです。
業務負荷の増大は、領収書の確認や上限のチェックなど新たな業務が発生したことが原因とされています。特に、業務基盤においては85.7%が旧来の方式に依存しているため、業務負担はさらに重く感じられています。実際、調査結果によると、わずか3.1%の自治体が業務量の定量把握を行っているとのことです。
DX推進の課題
一方で、調査はまた、DXを進める上での優先課題を浮き彫りにしました。53.6%が「審査レス」、すなわちチェック業務の自動化を最優先課題に挙げており、次にペーパーレス化やガバナンスの強化が続いています。この結果は、自治体が業務のデジタル化を通じて今後何を目指すべきかを明確に示しています。
業務基盤の変革が急務であることがわかります。実費支給の運用が始まると、より高い精度での事務処理が求められ、能力向上が不可欠です。特に、キャッシュレス化においては99.1%が自動連携を実施していないことからも、多くの自治体が今後の展開に課題を抱えていることが伺えます。
今後の展望
今後、自各自治体は各種の業務を見直し、デジタル技術の活用を進めることが求められます。調査結果は、制度としての動きはあっても、それを実現するための基盤が整っていないことを示しています。これからは、デジタル化に向けた具体的な施策を迅速に展開し、業務の効率化を図る必要があります。自治体DX推進協議会は、今後とも地域社会のデジタル改革を支援し、自治体の業務を変革していくことを目指します。
一般社団法人 自治体DX推進協議会は、今後さらなる調査や資料を提供し、地方自治体のDX化を後押ししていく活動を続けます。無料で配布されているこの調査報告書は、多くの自治体関係者にとって、今後の施策を考える鍵となることでしょう。