再生可能エネルギーの防衛
2025-01-30 11:02:29

再生可能エネルギーのサイバー防衛を強化する新技術

再生可能エネルギーのサイバー防衛を強化する新技術



近年、太陽光発電所や蓄電設備が、サイバー攻撃のターゲットとして急増しています。その背景には、再生可能エネルギーの普及が進む中で、これらのインフラストラクチャーが持つ脆弱性が浮かび上がっています。特に不正アクセスやデータの改ざん、さらには不正送金や設備の遠隔操作といった深刻なリスクが指摘されています。実際、2024年には、およそ800台の太陽光発電施設の遠隔監視機器がサイバー攻撃を受け、インターネットバンキングを通じて預金が不正に送金されるという事態が発生しました。

これを受けて、経済産業省は再生可能エネルギーの安定供給が国家の経済や社会安全保障に欠かせない要素であると認識し、サイバーセキュリティ対策の強化に乗り出すことを決定しました。具体的には「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドライン」が改定され、新たな取り組みが進められています。

モバイル専用網を活用した新しい監視システム



このような危機を背景に、再生可能エネルギー分野で新しいセキュリティ対策が求められています。株式会社オルテナジーとEX4Energyが共同で開発した『ソーラーグリッドPPH(Public Power Hub)』は、その最前線にある技術です。モバイル専用網を利用したこのシステムは、携帯通信を用いた専用ネットワークで、外部からのアクセスを一切遮断します。これにより、特定の組織内のみで安全にデータを交換できるため、セキュリティのレベルが飛躍的に向上しています。

運用実験と実証成果



これまで自社のサイトで運用実験を行ってきた両社は、さらにそのセキュリティレベルを高めるため、中部電力グループのシーエナジーによる長野県のオンサイトPPAで実証実験を実施しました。

結果としては、モバイル専用網を通じて安全な通信環境が確認され、実際の運用環境においてもその効果が実証されました。これにより、外部ネットワークからの不正アクセスを遮断しつつ、リアルタイムで通信を監視することが可能となりました。加えて、不正アクセスが発生した場合の早期発見を可能にする異常検知システムの開発も進めており、今後これを商品化する予定です。

日本全国への貢献を目指して



株式会社オルテナジーとEX4Energyは、実証実験で得た成果を基に、全国規模でのこのサービスの普及を目指しています。この新たなセキュリティ対策の導入は、国内外のエネルギー業界にとっても大きな意義を持つもので、持続可能なエネルギー社会の実現にも寄与することが期待されています。

今後の展開として、セキュリティ技術を支える基幹インフラとしての役割を果たし、再生可能エネルギーの発展に寄与する利用が進むことでしょう。再生可能エネルギーの未来は、こうした技術の進化によって、より安全で安定したものになると期待されます。


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