M&A後の組織文化を融合させるための新たな協業が始動

組織文化の統合を促進する新たな試み

2025年2月、THE WHY HOW DO COMPANY株式会社（通称、ワイハウ）は、株式会社なぞると協力し、M&A後の組織文化統合を成功させるための新たなプロジェクトを発表しました。この協業は、買収後の統合プロセスであるPMI（Post Merger Integration）に焦点を当て、組織の文化的な違いを理解し、融合させることを目的としています。

協業の背景

この協業のスタートは、「Z世代・渋谷のカルチャーリサーチ」に基づいています。このリサーチでは、特に若者文化を分析するための「カルチャートレース」という手法が用いられました。特定の文化を深く理解するためのこの方法論を用いて、M&A後の組織文化をどのように統合していくのかを探求していきます。これによって、組織文化統合における成功・失敗の要因を体系的にまとめることが可能です。

M&A後の組織統合に潜む課題

M&A後の統合は非常に難易度が高いプロセスで、失敗の多くは組織文化の無理解から生じます。一方的に制度を押し付けるのではなく、組織文化の違いを理解することが求められます。特に「顧客志向」や「市場適応力」といった目に見えない文化の違いが、統合後の成功に大きく関わってくるのです。

具体的な取り組み内容

このプロジェクトでは以下のような取り組みが行われます。

1. PMIトレース

実際のPMI案件を詳細に分析し、成功要因や失敗要因を抽出します。これにより、文化統合のベストプラクティスを蓄積し、再現可能な形で展開します。マーケティングトレースの手法を適用し、なぜ特定の文化が形成されたのかを探求します。

2. 組織文化診断ツールの共同開発

組織文化を可視化し、統合戦略の立案に役立つ診断ツールを開発します。このツールでは、約10分で全12問の簡易診断を通じ、組織文化的な特徴を定量的に把握することができます。

3. ワークショップ・研修プログラムの開発

マーケティングトレース手法に基づいた戦略思考トレーニングや、会社の文化形成の「Why」を理解するための対話型セッションを通じて、組織横断的な文化統合を支援します。このプロセスでは組織の境界を越えた情報共有の重要性も強調します。

協業の特徴

この協業では、学術的な知見と実践的な手法を融合させたアプローチが特徴となります。マーケティングに特化した文化要素に注目し、理論と実践を往復しながら方法論を深化させていきます。

目指すこと

このプロジェクトを通じて、M&Aの成功確率を高めるためのメソッド確立を目指し、日本企業の統合を支援していきます。成功要因・失敗要因を抽出し体系化することで、今後のM&A事業の加速にも寄与することを目指しています。

最終的に、組織文化の理解がPMIやマーケティングにおいての成功の鍵となるというメッセージを強く発信しています。この新たな試みが、企業のM&Aプロセスにおける文化統合の新しいパラダイムを築くことが期待されます。