中小型株の値動きは日経平均との連動性が低い
あすなろ投資顧問が実施した最新の統計分析によって、中小型株の値動きが日経平均株価とほとんど関係がないことが明らかになりました。この分析は、特に多くの個人投資家が抱える「日経平均は高値更新しているのに、自己の保有銘柄は影響を受けない」といった疑問に答えるものです。
分析の概要
今回の分析は、個別銘柄の株価が日経平均株価とどのように連動しているかを調査するもので、約95%以上の中小型株が市場全体の動向とは無関係に動いていることが判明しました。これは、「その企業の業績や成長性」が重要な要素であることを示しています。個人投資家は市場全体の動きに一喜一憂するのではなく、個別の銘柄に注目し分析を行うことが求められます。
時代背景と個人投資家の疑問
昨今の株式市場では、日経平均株価が上昇しているにもかかわらず、中小型株を保有する個人投資家は「なぜ自分の持ち株は上がらないのか」という疑問を抱いています。あすなろ投資顧問では、こうした声を受け、個別銘柄と日経平均の関係性を明らかにするためにコンプライアンス部門が中心となって統計分析を行いました。
統計的手法
本分析では、QUICK社の終値データを基に日次の騰落率を計算し、回帰分析を通じて決定係数(R²)を求めました。この値を使って、各銘柄の変動が日経平均によってどの程度説明できるかを調べました。一般的に決定係数が0.03なら、銘柄の価格変動の3%が日経平均の動きに起因することを示します。
中小型グロース銘柄の特性
個人投資家が好んで投資することの多い中小型グロース銘柄について、具体的な結果を見てみましょう。以下のような銘柄の例が挙げられます。
| 銘柄コード | 銘柄名 | 日経平均との説明力(決定係数) | 銘柄固有の変動要因(非連動性) |
|---|
| -- | ---- | ------ | ------ |
| 2334 | イオレ | 0.3% | 99.7% |
| 2586 | フルッタフルッタ | 3.0% | 97.0% |
| 3905 | データセクション | 1.5% | 98.5% |
この表からもわかるように、選定された中小型グロース銘柄は、日経平均の動きとほぼ無関係に動いており、その理由として個別要因の影響が非常に大きいと考えられます。
大型銘柄との対比
一方で、日経平均株価の構成銘柄となる大型株は、日経平均との強い連動性を持つことが示されています。例えば、アドバンテスト(株)やソフトバンクグループなどは、日経平均の約半分以上の説明力を持つことが確認されており、大型銘柄の値動きは日経平均に大きく影響されていることがわかります。
結論と投資への意味
このように、中小型株への投資はその特性から、市場全体の影響を受けにくい存在です。したがって、個人投資家は日々の市場の動向を気にするよりも、企業の基礎環境や成長性、需給の側面を詳しく分析し、投資判断を行うことが求められます。
あすなろ投資顧問では今後も、定量的な分析を通じて個別銘柄の動向を提供し、投資家の皆様の利益に貢献できるよう努めてまいります。株式投資は自己責任において行うものですが、私たちが提供する情報がその助けとなることを願っています。