三井物産、米国Twelve社と合成燃料事業に挑む
三井物産株式会社が、米国の合成燃料専門企業であるTwelve Benefit Corporation(以下、Twelve社)への出資を決定しました。このパートナーシップは、環境問題に挑む現代社会での持続可能なエネルギーソリューションを提供する重要な一歩となります。
合成燃料とは何か?
合成燃料、またの名をe-fuel(エレクトロフューエル)とは、グリーン水素と二酸化炭素を原料にして化学反応を利用して製造される次世代の液体燃料です。一言で言うと、化石燃料に替わる新しい形の燃料であり、90%以上の温室効果ガス削減が期待されています。これにより、特に航空機や大型船舶、長距離輸送の分野での脱炭素化が促進されるでしょう。
Twelve社の技術力
Twelve社は、特にCO2電解技術に強みを持つリーディングカンパニーであり、クリーンエネルギー・水・CO2から合成ガスを効率的に生成することが可能です。この技術によって、原料制約に縛られないクリーンな合成燃料の製造が実現できます。彼らの初号製造プラントは、ワシントン州に建設中で、2025年の稼働を目指しています。
さまざまな用途が期待される合成燃料
合成燃料は多様な用途がありますが、特にカーボンニュートラルな燃料としての可能性に注目が集まっています。アラスカ航空やMicrosoftなども、Twelve社から生産される合成燃料のオフテイク契約を締結しており、今後の需要が期待されます。2030年頃には、世界初の商用e-SAFフライトも計画されています。
三井物産の戦略
三井物産は、DAC(Direct Air Capture)などの技術を駆使して、CO2を回収し、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)で貯留する取り組みを進めています。合成燃料の領域でも、さまざまな技術の導入を目指し、Twelve社と協力してカーボンニュートラル燃料の製造と販売を拡大する予定です。これにより、異なるCO2原料を結び付けるバリューチェーンの構築が進められ、環境負荷の低減を図ります。
未来への展望
三井物産とTwelve社の協業は、環境問題解決への寄与だけでなく、ビジネスモデルの展開にも大きな影響を及ぼすと考えられています。持続可能なエネルギーの未来を左右するこの取り組みが、どのように発展していくのか、注目が集まります。
合成燃料市場は今後さらに成長が見込まれ、三井物産はグローバルな脱炭素燃料事業の展開を目指し、カーボンマネジメント産業の創造に貢献していくことでしょう。