大東建託が持つ新たな挑戦
2023年2月17日、大東建託株式会社は株式会社フジコーとの間で、フジコーの100%出資子会社である株式会社一戸フォレストパワーの株式譲渡契約を締結しました。この契約により、大東建託は一戸フォレストパワーの全保有株式を取得し、2025年度に営業運転を開始する予定のバイオマス発電所の運営を担います。
バイオマス発電所の概要
一戸フォレストパワーの発電所は、日本の岩手県一戸町に位置し、発電出力は6,250kWに達します。発電所は年間約5,175万kWhの電力を供給する能力を持ち、一般家庭約10,800世帯に相当する電力を生み出します。
燃料の調達については、森林事業者や森林組合から未利用材を集めるほか、製材過程で発生する端材も活用し、主に場内で破砕加工を行います。この方法により資源を無駄なく利用し、地域の林業に貢献する姿勢が示されています。さらに、年間で約19,000t-CO2の温室効果ガスを削減するとされています。
RE100の目標
大東建託は再生可能エネルギーの導入を推進しており、国産材を活用したバイオマス発電に注力しています。RE100という国際的なイニシアティブにも加盟しており、2040年までに事業で消費する電力を全て自社発電の再生可能エネルギーから賄うことを目指しています。これが実現すれば、グループ全体の再エネ導入率は100%に達し、持続可能な社会に向けた大きな一歩となります。
2023年7月には関西電力との間で朝来バイオマス発電所の事業譲渡契約を締結し、2024年4月から稼働を開始します。大東建託の電力供給は西日本エリアに向けられ、今回の一戸フォレストパワーとの提携により、東日本エリアにも再生可能エネルギーを供給することが可能になります。
未来に向けた革新
今後は、現在の固定価格買い取り制度(FIT)からフィード・イン・プレミアム(FIP)に切り替えが予定されています。これは市場の動向に応じた価格で電力を売電し、さらに優れたエネルギー効率を実現することを目的としています。
株式会社フジコーについて
一戸フォレストパワーの親会社である株式会社フジコーは、千葉県白井市に本社を構え、1974年の設立以来、建設系リサイクル事業や白蟻解体工事、森林発電事業に取り組んできました。その豊富な経験と実績により、大東建託にとっても強力なパートナーとなります。
結論
大東建託のバイオマス発電所への投資は、再生可能エネルギーの普及を加速し、温暖化対策にも貢献する重要なステップです。地域の森林資源を活用し、持続可能な電力供給を目指す中での今後の展開に、ますます注目が集まるでしょう。