長岡京病院と福岡工業大学が手術支援技術開発へ新たな一歩を踏み出す

新たな手術支援技術の時代が到来

最近、医療の現場において新たな技術革新が起こっています。それは、直腸膣瘻（ちょくちょうちつろう）および肛門括約筋機能不全に焦点を当てた手術情報支援システムの開発です。京都府長岡京市にある長岡京病院と福岡工業大学が協力し、2025年4月から本格的な共同研究をスタートさせることが発表されました。この取り組みは、手術の成功率を向上させるだけでなく、患者の生活の質をも大きく改善する可能性を秘めています。

背景と目的

直腸膣瘻および肛門括約筋機能不全は複雑な疾患であり、主に先天的な要因や経膣分娩によって引き起こされます。この病気は、患者にとって身体的な苦痛とともに、精神的にも大きな負担をもたらすものです。そのため、根治には経験豊富な外科医による手術が不可欠ですが、日本国内での年間症例数は約50例と限られており、手術方法が確立されていないことが現状です。

本研究の目的は、手術中の画像データを使って機械学習アルゴリズムを開発し、外科医が手術中に的確な判断を下すための支援を行うシステムを構築することです。特に、手術の成功には組織解剖の理解が重要であるため、経験の共有や知見の均等化が急務です。

各施設の強み

長岡京病院は、この分野で年間約30例の手術を実施しており、豊富な経験と知見を持っています。そのため、本研究の中心的な役割を果たすことができます。対して、福岡工業大学は、内視鏡外科手術の情報支援に関する先進的な人工知能ソフトウェアの開発を手掛け、多くの成果を上げています。両者の強みを活かし、医療現場での実用化を目指します。

研究の概要

この共同研究では、次のようなテーマで進められます。具体的には、手術中に撮影される画像データを収集・解析し、会陰体の自動検出機能を開発。また、臨床現場に即したインターフェースを設計することで、医療従事者が使いやすいシステムを目指します。これにより、手術の成功率向上だけでなく、治療技術の普及が期待されます。