物流革命の第一歩:遠隔フォークリフト操作システムの実証実験
株式会社Nexa Wareと株式会社椿本チエインは、物流現場での効率化を目指して「物流倉庫向け遠隔フォークリフト操作システム」の評価検証を行う実証実験を開始しました。実証は2023年11月4日から、ロジスティード株式会社と三菱HCキャピタル株式会社の協力のもと幕を開けます。
1. 開発の背景
物流業界では長年にわたり、人手不足が深刻化しており、特にフォークリフトオペレーターの不足は業務の円滑な遂行を妨げています。これに加えて、冷凍倉庫などの厳しい労働環境もオペレーターの定着を難しくしています。これらの課題を解決するため、Nexa Ware、ロジスティード、三菱HCキャピタルの3社は、2025年3月に事業化に向けた基本合意書を締結しました。
コラボレーションを進める中、椿本チエインが技術パートナーとして参加し、共同でシステムを開発しています。本実証では、実際の商業現場を想定しながら、機能や性能の評価を行います。
2. 実証実験の概要
実施方法
- - 場所:ロジスティード東日本株式会社 館林営業所(群馬県館林市)
- - 期間:2023年11月4日〜12月26日(予定)
評価内容は、以下の2つに分かれています:
1.
機能・性能評価:
物流センターにおけるさまざまなオペレーションを実施し、実際の業務に基づいて遠隔フォークリフトの機能を評価します。
2.
事業性評価:
機能・性能評価の結果をもとに、顧客展開やビジネスの規模を見据えた実践的な評価を行います。
システムの特長
このシステムは、既存のフォークリフトにセンサ、カメラ、アクチュエータを取り付け、遠隔から操作を可能にします。これにより、物流業務の柔軟な運用を実現。
既存のフォークリフトをそのまま使用し、導入の際のコストや手間を軽減します。
フォークリフトには8つのカメラと15のセンサが取り付けられ、取得した情報は遠隔操作卓で確認。AR技術を駆使することで、操作性の向上と安全性の確保を図ります。
電動アクチュエータにより、リアルタイムでの操作が可能。また、フェイルセーフ機構を搭載することで、万が一の故障時でも安全性を維持します。
3. 各社の役割
実証実験には4社が関与しており、それぞれの役割が明確に分かれています:
実証の主催および通信環境の整備。
知見と技術ノウハウの提供、評価の支援。
販売戦略の支援。
システムの開発および評価支援。
4. 今後の展望
実証実験を通じて得られたデータを元に、2号機の開発も進められ、2025年度中にトライアル販売、2026年度中の商用販売開始を目指しています。これにより、物流業界に新たな風を吹き込む一助となることでしょう。
参考リンク