ブタジエンの未来
2025-02-17 11:52:58

ゼオンと横浜ゴムが手掛ける持続可能なブタジエン製造技術

ゼオンと横浜ゴムが開発する脱炭素型ブタジエン製造



日本ゼオン株式会社と横浜ゴム株式会社が、新たに導入するベンチ設備を通じて、植物由来のエタノールから高効率でブタジエンを生成する技術を実証します。この取り組みは、持続可能な社会を目指しており、2030年代に植物原料からの合成ゴムの供給を実現することを目指しています。

ベンチ設備の概要



新設されるベンチ設備は、ゼオン徳山工場(山口県周南市)内に位置し、2026年の稼働を予定しています。ここでは、エタノールを高効率な触媒でブタジエンに変換する技術の実証を行い、その結果得られるデータをもとに量産化が見込まれます。このプロジェクトは、2022年にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業に採択されたもので、特にこの設備はエタノールからブタジエンを合成するための重要な第一歩です。

共同研究の意義



ゼオンと横浜ゴムは、国立研究開発法人産業技術総合研究所、東京科学大学、理化学研究所と協力し、環境負荷を低減しながらも、業界のニーズに応える製品の開発に取り組んでいます。これにより、2030年代までに植物原料から効率的にブタジエンとイソプレンを生産する技術の社会実装が目指されています。

実証実験の進め方



ベンチ設備で生成されたブタジエンは、ポリブタジエンゴムとして試作されます。さらに、横浜ゴムはそのゴムを用いたタイヤの試作と走行テストを実施し、実際の使用におけるデータを収集します。このプロセスを通じて、実際に市場に投入可能な製品化に向けたデータが蓄積されることとなります。

持続可能な未来に向けた取り組み



ゼオンと横浜ゴムは、これまで培った技術力とノウハウを融合させながら、タイヤやゴム産業のサーキュラエコノミーの進展とカーボンニュートラルな社会の実現を推進していきます。これにより、環境保護だけでなく、経済的な持続可能性も同時に追求することができるのです。今後の実証結果に期待が寄せられます。

まとめ



このように、ゼオンと横浜ゴムが取り組むエタノールからのブタジエン製造技術は、環境に優しい素材の生産を可能にするだけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。2030年代には実用化が見込まれており、業界全体にとって革新をもたらす発展が期待されています。


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