虎ノ門にオープンした「SMUK」で日常を超えた食の体験を

東京・虎ノ門エリアに、アートディレクターのhideyaと料理人の仲野智博が手掛ける新たなレストラン「SMUK（スムーク）」が2025年8月1日にオープンします。このお店は、まるで誰かの家の小さな食卓のようで、訪れる人々に静かな感覚を提供する特別な空間です。

SMUKが目指す“日常”とは？

「SMUK」という名前はデンマーク語で“美しい”という意味を持っていますが、ここでの美は誰かのためのものではなく、単に“在ることそのものが尊い”という哲学に根差しています。お店の至る所に、料理や空間を通じて表現されるこの美の感覚が、訪れる人々の記憶に深く刻まれることを目指しています。

レストランという形式を用いたこの試みは、過剰な演出を排し、素材の持ち味や火入れ技術を大切にすることで、どこか懐かしさを感じさせる余白のある味わいへと仕上げられています。ここでは、イタリアン、フレンチ、タイ料理、メキシカン、日本食など、様々なジャンルの料理が融合し、一皿ごとにその記憶が香りとともに広がります。

料理と空間のシンフォニー

料理人の仲野智博氏は、フレンチと和食の技術に裏打ちされた柔軟な感性を持ち、空間の呼吸に寄り添いながら、hideyaが描く物語を美味しい料理として形にしていきます。炭火を主役にし、火の静かな熱源から生まれる料理は、まさに素材の気配を聴き取るような繊細な仕上がりです。

また、SMUKの空間は整えすぎた非日常ではなく、身近な光景の中に確かな違和感を覚える特別な場所です。ボルドーとネイビーを基調とした店内には、hideyaが選び抜いたヴィンテージの照明や家具、骨董の器が詩的に配置されています。