治療家の職場満足度は73.5%！就業実態調査から見える課題と解決策

株式会社エス・エム・エスは、全国の柔道整復師・鍼灸師や治療家を目指す学生など2,742人を対象に「治療家の就業に関する意識調査」を実施しました。この調査の結果、治療家の73.5％が現在の職場に対して満足感を示しましたが、一方で仕事量や報酬に対する不満も顕在化しています。

調査結果の概要

1. 職場の満足度

現在の職場に満足している治療家は73.5％に達し、約4人に3人が自身の職場に対してポジティブな評価をしています。満足している理由には「患者との関係（92.7％）」「同僚との関係（81.8％）」「やりがい（80.3％）」が挙げられています。

2. 主な不満点

しかしながら、満足度が高い一方で、約53.5％の治療家が「仕事量や内容に対しての年収が不満」と回答し、49.4％が「手当の充実度」に不安を感じていることが分かりました。また、指導方法にバラつきがあることも48.1％の治療家が懸念しています。

3. 満足度を分ける要因

職場に対する満足度は「やりがい」や「上司との関係」が鍵であることが示されています。具体的には、職場に満足している治療家は「やりがい」に関して80.0％、上司との関係が74.6％、自己成長に対して74.2％の満足度を示しました。

4. 退職理由

調査によれば、退職理由の最も大きな要因は「昇給や給与体制に不満（39.5％）」であり、次いで「上司との関係に不満（37.4％）」が続きます。長時間労働や残業が多いことも36.9％の治療家が退職を選ぶ理由として挙げています。

5. 職場選びのポイント

職場選びの際に最も重視されるポイントは「給与（63.2％）」であり、続いて「勤務時間・体制（50.1％）」「職場の雰囲気（47.3％）」と続きます。このことから、治療家たちが報酬や労働環境について高い関心を持っていることが浮き彫りになっています。

6. 若手治療家の希望

学生の志望する事業所形態は圧倒的に「あん摩マッサージ指圧師や鍼灸院などの施術所（78.6％）」が多く、病院やクリニックは6.8％にすぎません。就職活動においては「専門性やスキルを高めたい（61.2％）」が最も重視され、「仕事とプライベートの両立（48.6％）」を上回っています。

課題と今後の展望

調査結果から、治療家たちの職場環境には明確な満足と不満があることが分かりました。特に、仕事量と報酬のバランスについては改善が求められ、管理者とのコミュニケーションがその解決策の一つになると考えられます。また、定期的に調査を行うことで、治療家の採用及び定着に関する問題を解決し、職場環境の向上に寄与することが求められます。

エス・エム・エスでは高齢化社会を背景に、治療家が充実した職業生活を送れるような環境作りに貢献していく所存です。