聴覚障がいを守るドローン
2025-11-18 17:48:07

防災の新たな形、聴覚障がいアスリートを守るドローン運用の実証

防災の新たな形、聴覚障がいアスリートを守るドローン運用の実証



2025年11月、千葉県白子町で開催された「ワールドデフトリプルSゲームズ2025」の中で、聴覚障がいアスリートの安全確保を目的としたドローンによる巡視および避難誘導システムが実際に運用されました。この取り組みは、音に頼らない新しい防災手段として注目を集めています。

音に頼らない防災の必要性


サーフィンなどの海上競技では、従来はサイレンや防災無線など音を基にした避難誘導が一般的でした。しかし、メローカップ2025の参加者全員が聴覚障がいアスリートであったため、音に頼らずに危険信号を認識できる視覚ベースの防災手段が求められました。この課題に応えるため、視覚的な方法による防災が不可欠な状況となりました。

大会当日は風速約5mという厳しい気象条件のもとで、選手が競技エリア外へ出てしまう場面も発生しました。これに対して、広域かつ即時に、視覚的な安全管理が必要であることが改めて認識されました。

ドローン巡視の実施概要


今回の取り組みでは、5名のドローンパイロットがペアを組んで交代で運用を行いました。具体的な運用体制としては、次のように進められました。

  • - フライト時間: 約15分
  • - 巡視目的: 選手の位置をモニタリングし、エリア逸脱を検知。加えて、津波などの緊急時に視覚的に避難誘導を行う準備をします。
  • - 使用機体: DJI Matrice 4TD
  • - 搭載機能: AIによる人物検知や高光量ライト(赤色)、スピーカーを備えています。

特に赤色ライトは非常時の視認性を高めるためにカスタマイズされ、聴覚障がいアスリートでも視覚で危険を認知できる工夫が施されています。

パイロットと補助者がチームを組んで巡視業務を実施し、「2人1組の安全運航体制」に基づいて現場のリスクを可視化しながら取り組みました。

現場での協力体制


当取り組みは、白子町役場、茂原警察署、特定非営利活動法人J-PRO(レスキュー)など、多くの機関の協力の下で安全運用体制を構築しました。

これらの連携により、海上と陸上の双方での安全確保につながり、より信頼性のある運用が実現しました。

アスリート・関係者の声


参加した選手や関係者からは、以下のような声が寄せられました。

  • - 「赤いライトはとても見やすく、注意喚起として直感的でした」 (選手)
  • - 「上空から全体を見守ってもらえる安心感が大きい」 (選手)
  • - 「音に頼らない避難誘導の実効性を実感した」 (自治体担当者)

これにより“誰も取り残さない防災”という目標に向けて、実効性の高い成果が確認されました。

見えてきた成果と今後の課題


成果


  • - 視覚誘導ライトの認知度が非常に高い
  • - 強風下でもドローンの安定した運行が可能であった
  • - AIによる人物検知機能が有効に機能している

今後の検証ポイント


  • - 天候や逆光などによる視認性の変動
  • - 陸上誘導と空中誘導の役割分担の最適化
  • - 避難サインの“意味の統一”や事前の説明の徹底

TRIPLE7/NAPAドローンアカデミーの展望


この実証を通じて、視覚型防災インフラとしてのドローンの有用性が明らかになりました。この技術は、聴覚障がいアスリートの安全を守るだけでなく、防災や防犯、見守り、広域監視など、さまざまな分野での活用が期待されます。今後は、海水浴場でのドローンによる防災巡視や、マリンスポーツ大会での安全管理の高度化、さらには自治体との連携を強化した防犯パトロールや迷子捜索など、より広範に活用していく方針です。

特に、ろう者を含む多様なパイロットとの協働によるインクルーシブな運用モデルの構築を目指しています。

株式会社TRIPLE7のご紹介


株式会社TRIPLE7は、20年間にわたりJAL国際線パイロットとして安全運航に従事してきた岩岡真吾が設立したドローン専門企業です。運営する「NAPAドローンアカデミー」は、社会に必要なスキルを持ったプロフェッショナルを育成することに力を入れています。今後、ドローンの導入を計画している企業様は、ぜひお気軽に摂取お問い合わせください。


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