効率的な情報取得を求めるユーザーの行動パターンを探る調査
ナイル株式会社が実施した調査に基づき、検索エンジンから流入したユーザーの行動パターンを探ります。この調査は2025年に行われ、全国の20〜60代の男女980名が対象となっています。検索結果から流入したユーザーがどのように記事を読み進めるか、または離脱するのか、その判断基準や行動の傾向を探ります。
ユーザーが記事を読み進める判断基準
記事を読み進める際、ユーザーが最も重視するのは「リード文」と「目次」でした。具体的には、38.9%のユーザーがリード文を、26.6%が目次を判断材料として挙げています。これは、検索から来たユーザーが「何を知りたいか」が明確で、記事を通じてその答えが見つかるかどうかを早い段階で判断していることを示しています。例えば、リード文が簡潔に要点を伝えているか、目次が内容を俯瞰できるようになっているかが重要です。
他にも、「アイキャッチ画像」(23.8%)や「記事の更新日」(22.6%)が気にされていることから、視覚的要素や情報の新鮮さも無視できない要素であることがわかります。一方で、著者や監修者の情報を重視するユーザーは11.3%と少数派で、多くのユーザーは主に検索結果順位を信頼性の判断基準にしていると考えられます。
検索ユーザーの読み方
次に、検索経由で記事に訪れたユーザーが実際にどのように記事を読み進めているのかを分析します。最も多い回答は「見出しだけを流し読みし、必要な段落だけ読む」(26.8%)で、次いで「目次を使って興味のある箇所へジャンプして読む」(20.5%)が続きます。このことから、検索ユーザーは短時間で効率的に情報を得ようとする傾向が明らかです。いかに速やかに自分に必要な情報にアクセスできるかが、彼らの行動の要因となっています。
それに対し、16.5%のユーザーは「最初から最後まで順番に読む」と回答しており、一部のユーザーは徹底的に理解しようとする姿勢も伺えます。
離脱の要因
検索したあと、ユーザーが記事を離脱する原因として最も多かったのは「文字量が多すぎる/文章が長すぎる」(38.4%)でした。これは、検索者が明確な疑問を持って記事に訪れるため、長文が続くと興味を失うケースが多いことを示しています。また、「結論がわかりにくい」という理由も目立ったため、記事内で答えにすぐたどり着けるかどうかの工夫が重要となります。
さらに「必要な情報を得たため」(31.2%)というのは理想的なパターンで、検索目的を果たしたことが分かります。しかし、広告やバナーが多すぎて読みづらかったといったストレス要因も要注意です。
情報の見やすさ
調査では、視覚的要素がユーザーに与える影響も見逃せません。「非常に大きく影響する」という回答が13.5%、「ある程度影響する」が47.0%と、6割以上が視覚的要素を重視していると回答しました。このことは、情報の提示方法やデザインがコンテンツの理解に大きく影響することを示しています。
視覚的な要素は、コンテンツを魅力的に見せるだけではなく、タスク完了に向けてのサポートにもなります。
まとめ
今回の調査から見えてきたのは、検索流入ユーザーは情報へのアクセスの速さを最も重視していて、「何を言うか」だけでなく「どう伝えるか」が肝心であるということです。より多くのユーザーの期待に応えるためには、目次や見出し構造、視覚的な整理を工夫し、効率的に答えへ導く記事を心掛ける必要があります。