水素利用の新システム
2025-07-04 15:22:51

水素を活用した450kWガスコージェネレーションシステムが登場

水素を活用した450kWガスコージェネレーションシステムが登場



三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社(MHIET)が、新たに開発した450kWのガスコージェネレーションシステム「SGP M450」を発表しました。このシステムは、エネルギー効率の向上と環境負荷の軽減を目指し、水素の混焼が可能な特徴を持っています。

水素混焼のメリット



この新システムは、最大15%の水素を混焼できる能力を搭載しています。これにより、CO2排出量の削減に貢献することが期待されています。都市ガス専焼の従来型システムを基盤に、エンジン制御装置や燃料ガス系統の改善が行われています。

実際、東邦ガス社が運営する技術研究所での500時間以上にわたる実証試験においても、その信頼性と安定性が確認されています。さまざまな運転パターンを模倣した試験では、負荷の変動に応じた高い調整力を発揮し、運転中の異常燃焼やリスクが存在しないことも確認されました。

運転モードの切り替え



「SGP M450」は、都市ガス専焼モードと水素混焼モードの2つの運転モードを持ちます。運転中に任意でモードを切り替えることが可能です。この柔軟な運用により、環境負荷を軽減しつつ、エネルギーの効率的な使用が実現します。

特に水素混焼仕様では、エンジンの始動時に都市ガスを使用することが可能なため、停電時にもスムーズに運転を開始でき、BCP(事業継続計画)への対応に資することができます。

「水素レディ」パッケージの登場



今後の水素利用を見据えた「水素レディ」パッケージも新たに発表されました。このパッケージは、初期導入時には都市ガス専焼仕様のみが導入されますが、あらかじめ水素混焼に必要な機器を組み込むことで、水素混焼仕様への改造が容易になっています。これにより、工事の手間を大幅に短縮できるのです。

環境負荷の軽減とレジリエンスの強化



省エネルギーで環境に優しいコージェネレーションシステムは、カーボンニュートラルの実現に向けて非常に重要な分散型エネルギーリソースの一つとされています。特に大規模な自然災害による停電時でも負荷を持続的に供給する能力が高く、その点からも災害に対する強靭性(レジリエンス)の強化に寄与します。

MHIETは今後も、水素の利用拡大を推進し、分散型電源の普及を進めていく考えです。低炭素社会の実現とともに、地域や社会全体のレジリエンス向上に貢献することを目指しています。

詳しい情報は、三菱重工業のウェブサイトをご覧ください。


画像1

関連リンク

サードペディア百科事典: 三菱重工 水素混焼 ガスコージェネレーション

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。