帯広の記録的ドカ雪
2025-07-07 10:18:40

2025年帯広の記録的ドカ雪に迫る海洋熱波の影響を探る

帯広の記録的大雪、ドカ雪の謎を解く



2025年2月の初め、北海道の帯広市では、記録的な大雪、いわゆる"ドカ雪"が発生しました。この期間、帯広ではたった12時間で120cmもの降雪が記録され、これは国内での観測史上最も多い数値となりました。この突如としての大雪の原因として、研究者たちは温度異常を伴う海洋熱波の影響を挙げています。

大雪の発生とその影響


このドカ雪は、主に2月3日から4日にかけて生じ、帯広周辺では交通の大混乱や建物被害が発生しました。観測データによれば、当時の気象条件として南西の日本海に温帯低気圧が存在していて、強い南東風が海から十勝平野へ吹き込んでいました。また、この季節の十勝沖の海面水温は、平年より4.6度も高い状態で、海洋熱波が生じていたのです。

研究の概要


この現象についての研究は、立正大学や北海道大学の研究者によって行われました。彼らは、黒潮から生じた暖かい海水を伴う海の渦がもたらした海面水温の異常が強い雪雲を引き起こし、結果として豪雪をもたらしたことを解明しました。この研究は科学雑誌『Scientific Online Letters on the Atmosphere(SOLA)』に発表されました。

研究チームは、観測データと領域気象モデルによるシミュレーションを活用し、雪の発生メカニズムを詳細に分析しました。具体的には、空気の流入経路が海洋熱波を伴った海の渦の近くを通過していたことが確認され、これにより海から大気への熱と水蒸気の供給が促進され、湿潤な空気が形成されました。この湿潤した空気が上昇流によって帯広の上空で雪雲を発達させ、大雪を引き起こしたのです。

未来へ向けた示唆


この研究から得られた知見は、海水温の変動の観測や予測が大雪などの極端な気象現象の理解に不可欠であることを示しています。また、温暖化が進む現代において、今後もこれらの現象がより頻繁に発生することが予測されるため、今回の研究結果は防災や気象予測に大きな影響を与えると考えられています。

研究者の一人、立正大学の平田准教授は「海洋熱波が豪雪や豪雨などの気象災害に与える影響を理解することが、今後の取り組みにおいて重要です」と述べています。彼は、今後も海面水温の異常高温に関連した現象が続く可能性が高く、日頃からの備えが欠かせないと強調しました。

このように、帯広での記録的なドカ雪は、私たちに気候変動の影響を考え直させる重要な教訓となりました。今後も気象予測技術の進歩と共に、このような極端な気象現象をより深く理解し、適切な備えができることが求められます。


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