革新的スキンケア手法
2025-09-16 11:39:07

新しい肌水分評価法の開発がもたらすスキンケア革新の可能性

新しい肌水分評価法の開発がもたらすスキンケア革新の可能性



日本の第一三共ヘルスケア株式会社と御木本製薬株式会社は、共同で開発した画期的な肌の水分状態を評価する手法を、フランス・カンヌで開催された「第35回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会」で発表しました。これまでの多くの保湿研究が鈍水の結合に注目していたのに対し、新たに中間水や弱い結合水を対象とするこの研究により、肌の保湿のメカニズムやスキンケア製品の開発方法が一新されることが期待されます。

保湿水分の重要性



水分は健康的な肌を維持するために欠かせない要素。しかし、従来の研究では「結合水」とされる水分の状態を一括りとし、それに対する具体的な評価が欠けていました。今回の研究では、その水分状態を詳細に解析し、保湿における各水分の重要性を明確化することを目的としました。

新たな評価手法



このプロジェクトでは、角層における水の状態を評価するために、示差走査熱量測定法(DSC法)とラマン分光法という二つの高精度な測定技術を使用しました。新たに開発されたDSC法では、-150℃という超低温環境下で水分の状態を詳細に観察可能になり、これにより従来の「自由水」と「結合水」という二項対立を超え、「不凍結水」「中間水」「自由水」という三つの状態に分類しました。

この手法によって、トレハロースやPCA-Naといった成分が、従来よりも高い中間水の保持能力を示すことが明らかにされました。これは、水分保持に特化し、より効果的な保湿剤の開発を進めるための基盤になります。

「弱い結合水」の重要性



さらに、第一三共ヘルスケアが行ったラマン分光法の分析により、従来見過ごされてきた「弱い結合水」の存在とその重要性が浮かび上がりました。角層中の「強い結合水」に対して「弱い結合水」の比率が高いことが、特に若い世代において保湿に大きく寄与していることが確認されました。この知見から、高濃度ではPCA-Na、低濃度ではトレハロースが重要な役割を果たすことが分かりました。

次なるステップ



この研究結果は、化粧品の原料スクリーニングや新製品の開発においても大きな影響をもたらします。「中間水」や「弱い結合水」を増やす成分の探索により、効果的な保湿が実現し、より健やかな肌への道が開かれるのです。

今後、この新手法を応用した製品が市場に登場することで、個々の肌の特性にあわせたスキンケア製品の開発が進むことが期待されます。このように、第一三共ヘルスケアと御木本製薬の共同研究は、スキンケアの未来を切り開く一歩となるのかもしれません。

企業の背景



第一三共ヘルスケア株式会社は、OTC医薬品、機能性スキンケア製品、オーラルケア製品などを手掛けており、生活者が自ら健康を守ることを支援することを企業理念としています。

御木本製薬株式会社は、真珠成分を活用した製品を提供し続けており、その研究力と製品開発力で、スキンケア分野においても幅広い知見を持っています。

いずれの企業も、今後の研究成果を活かした新たな製品開発を進めていくとのことで、私たち消費者にとっても期待の高まる内容となっています。


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