マーケティング担当者1,000名が語る広告目的と成果の実態とは

マーケティング担当者1,000名が語る広告目的と成果の実態

株式会社Macbee Planetが実施した「広告の目的と成果に関する実態調査」。全国の大企業と中小企業のマーケティング担当者1,085名を対象に行われたこの調査は、広告出稿の目的や成果指標についての意識を明らかにするものです。

認知と成果、どこに課題があるのか？

調査によると、約9割の担当者が「認知広告は評価が難しい」と回答しました。この結果から、広告出稿の目的として「認知」が重要視される一方で、実際の成果との乖離感が浮き彫りになっています。特に大企業では、「商品・サービスの認知向上」を目的とする割合は63.5％、中小企業でも57.7％に上ります。このように、認知を重視しながらもその評価方法に疑問を感じているという現実が見えてきました。

ミドルファネル施策への期待

さらに、調査では「ミドルファネル施策」の重要性が高まっていることも明らかになりました。8割以上の担当者がこの施策が重要であると回答し、特に大企業では81.0％、中小企業では78.1％が「重要」としており、今後の広告戦略における重点領域として注目されています。

この結果から、多くの担当者が「認知広告」と「獲得広告」の両立を図るために、ミドルファネル施策に対する投資を増やすことを希望していることが確認されました。

大企業と中小企業の意識の違い

広告の成果指標についても興味深い結果が得られました。大企業の担当者は「認知度」や「広告認知率」を重視する傾向がある一方、中小企業の担当者は「店頭・Webサイトへの来訪数」や「購入・契約数」といった行動データを評価の基準にする傾向が強いことが分かりました。

このように、企業規模によって広告の目的や評価方法に違いが見られることから、広告戦略を策定する際には、多様な視点が必要となります。

多摩美術大学の佐藤教授の見解

多摩美術大学の佐藤達郎教授は、今回の調査結果に対し、広告の認知・ブランディングと成果の両方を考えることの重要性を強調されています。彼は、「広告の各フェーズはそれぞれが重要であり、最も必要なのはそれらを統合的に活用すること」と述べています。この見解は、現在の広告業界における大きな指針となっています。

結論

今回の調査によって、広告の目的が「認知」である一方、その評価が難しいという矛盾が浮き彫りになり、またミドルファネル施策の重要性が改めて強調されました。これからのマーケティング戦略は、認知と成果をどのように統合的に活用し、実際の成果に結びつけるかが鍵となるでしょう。今後の広告における新たな方向性を見据える上で、これらの知見は非常に参考になります。