2026年卒業予定学生の就活状況に迫るレポート
株式会社RECCOO(東京都渋谷区)は、2027年卒業予定の大学生505名を対象に「2026卒就活総振り返りレポート」を発表しました。近年の新卒採用市場は「売り手市場」となり、企業は優秀な学生を獲得するための競争が激化しています。本レポートでは、就職活動の新たなトレンドや内定辞退の実態について詳しく解説します。
就職活動の早期化
調査によると、大学2年生の3月以前に就活を開始する学生が前年よりも10ポイント以上増加しました。これは、さらなる早期化を示しています。特に大学2年生は企業との接点を持つことで、早期から情報を収集する「超早期型採用」が主流になりつつあります。さらに、年内にエントリーを始める学生も増加しており、就活スケジュールの前倒しが顕著です。
安定志向の高まり
入社先を選ぶ際の基準として「福利厚生が整っている」と「年収が高い」が上位にランクインしています。特に名門大学の学生は、年収を重視する傾向が強く見受けられます。また、「魅力的な社員が多い」や「ワークライフバランスが確保できる」といった条件も重要視され、学生は安定した生活を求めつつ、共感できる環境を重視しています。
内定早期化と選考絞り込み
2026年卒業予定の学生の4人に1人が年内に内定を獲得しており、この傾向は今後も続くと考えられます。早期内定を得た学生の約70%が以降の選考を絞り込むと答えています。企業にとっては、年内に内定を出すための戦略設計が今まで以上に重要です。これにより、選考を通じてより多くの学生にアプローチすることが可能となります。
内定辞退に対する抵抗感
調査では、「内定承諾後に辞退することに抵抗を感じる」と答えた学生が約70%でしたが、実際に内定を辞退した経験を持つ学生は約28%にのぼりました。多くの学生が選考の重複を考慮して、「辞退前提の承諾」を行う傾向にあります。これにより企業は内定辞退を防ぐための施策の強化が求められます。
非志望企業への参加動向
驚くべきことに、約90%の学生が非志望企業の選考に参加し、そのうち半数は選考後に志望度が上がったと回答しています。彼らが非志望企業の選考に参加する理由としては、「企業の知名度」や「早期に内定を出すこと」、「詳しいフィードバック」が挙げられます。したがって、企業は非志望層をターゲットにした施策を考慮することが重要です。
RECCOOからの提言
1. 早期化に対応する接点設計
企業は、大学2年生の段階から学生にアプローチする必要があります。説明会やインターンシップを通じて学生の関心を引きつけることが重要です。特に内定直結型の夏インターンは効果的です。
2. 入社意欲を高める
生活の安定を求める中で、学生は「将来のキャリア」も重視しています。企業は年収の他にキャリアパスの情報を開示し、魅力的な社員との接点を増やすことがカギとなります。
3. 年内内定への対策
4人に1人が年内内定を得ている現状を受けて、企業は12月までに内定を出すプロセスを設計する必要があります。
4. 辞退防止のためのフォロー
内定承諾後のフォロー体制を強化することが求められます。定期的なキャリア相談や内定者同士の交流イベントが効果的です。
5. 非志望層を引き寄せる選考体験
非志望企業でも、選考プロセスを学生の成長体験の場にすることで、志望度を高めることが可能です。早期選考や丁寧なフィードバックがこの戦略を実現します。
まとめ
2026年卒業予定の学生たちは、これまで以上に早期化する就職活動の中で「安定」と「共感」を求めています。企業は学生との初期接点をどのように設計するかが、これからの採用競争において重要なポイントとなります。今後の採用活動においては、早期化への適応と、志望理由を高めるための工夫が求められます。
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調査概要
- - 調査対象: 2026卒学生
- - 実施日: 2025年6月1日~7月15日
- - 有効回答者数: 505名
- - 調査方法: インターネットによるアンケート
株式会社RECCOOは、企業と学生両者のニーズに応えることを目指し、今後もさまざまな採用支援を展開していきます。