カラクリ株式会社が導入するAI電話応対支援システム
カスタマーサポート業界に新たな風を吹かせるカラクリ株式会社が、AIを活用した電話応対支援システム「KARAKURI Voice Search」を発表しました。2025年6月24日からβ版が提供開始されるこのシステムは、通話内容をリアルタイムでテキスト化し、必要な情報をオペレーターに自動的に提示する機能を備えています。これにより、オペレーターはより迅速で質の高い顧客対応が可能になります。
「作る」から「育つ」時代へ
このシステムの最大の特徴は、特許を取得したナレッジ自動生成技術によって、日々蓄積される通話ログから質問と回答のペアを抽出し、組織のナレッジベースを自動的に更新できる点です。これにより、従来の手動更新から脱却し、オペレーターが蓄積した実践知が積極的に「育つ」仕組みが整います。
開発背景:業界の課題を踏まえた革新
コンタクトセンター業界では、業務効率化に加え、ナレッジ管理の自動化が求められています。リックテレコム社の『コールセンター白書2024』によれば、80.4%の企業がオペレーターの後処理業務の効率化に期待を寄せています。また、FAQの自動生成への期待も前年から大幅に増加し、自動更新によるナレッジ管理の必要性が浮き彫りになっています。このようなニーズを背景に、カラクリは「KARAKURI Voice Search」を開発しました。
システムの主な機能
1. リアルタイム音声認識と会話内容の可視化
「KARAKURI Voice Search」は、通話内容を即座にテキスト化し、顧客とオペレーターの会話を画面で確認できるようにします。発信者の属性情報も取り込むことで、会話の文脈を把握しやすくします。
2. 自動サジェスト機能
会話の流れを理解し、関連するFAQや対応手順、参考資料を画面に提示します。オペレーターはマニュアル検索に時間を取られることなく、顧客との対話に集中できる環境が整います。
3. 高精度なFAQ自動生成
日々の通話から抽出された質問と回答のペアをグループ化し、実用的なFAQを自動生成します。このプロセスは夜間に自動的に実行され、翌日には最新のFAQが利用可能です。
特許情報
今回取得した特許は、音声情報を通じてQA情報を抽出し、FAQを作成する技術に関連しています。この特許技術はすでに「KARAKURI Voice Search」に実装され、今後の発展が期待されています。
今後の展望:ナレッジの「高める」プラットフォーム
「KARAKURI Voice Search」は、単独のツールであるだけでなく、カラクリのAIプラットフォーム「KARAKURI」シリーズとの連携により、価値ある知識として組織全体で活用できる仕組みが実現されます。生成されたFAQは、AI搭載FAQツール「KARAKURI smartFAQ」への自動登録を通じて、チャットボットやFAQサイトに展開可能です。こうして、オペレーターが得た知見がすぐに活用される仕組みが整い、さらなる顧客満足度の向上につながるのです。
カラクリのビジョンは、AIエージェントの進化を遂げることで、解決への道筋を提示するパートナーとしての役割を果たすことにあります。今後は、蓄積された検索データや問題解決プロセスのデータを活用し、より高度な対応が可能な次世代のカスタマーサポートを実現します。人とAIが協働することで、顧客への満足度だけでなく、オペレーターの働きがいも高めていくことが目標です。
カラクリの取り組みによって、コンタクトセンター業界は新たな価値創造へと向かうことでしょう。