グルタチオン飼料研究が目指す持続可能な畜産業の未来
株式会社WAKUが独自の飼料技術で畜産業に革新をもたらす取り組みをスタートしました。岡山県を拠点にするWAKUは、国立大学法人宮崎大学農学部との共同研究を通じて、グルタチオンを添加した飼料が肉用鶏の成長と免疫機能に与える影響を探ることを目指しています。
背景と研究の重要性
グルタチオンは、細胞内で細胞を保護する重要な物質です。抗酸化作用や解毒作用を持ち、医療やサプリメント分野で多く使用されています。これまで、WAKUはグルタチオンを農業用のバイオスティミュラントとして利用してきましたが、今回はその可能性を畜産に応用します。農業分野では、グルタチオンが作物の成長や収量を改善する資材として効果を発揮していますが、畜産では抗生物質を使った飼料添加が行われています。
近年、抗生物質に依存した飼料添加は耐性菌の問題を引き起こしており、代替技術が必要とされています。そこで、WAKUと宮崎大学は、グルタチオンの畜産への応用可能性を科学的に探る新しい研究に取り組むことにしました。この研究が成功すれば、持続可能な家畜生産のモデルが確立される可能性があります。
共同研究の内容
この共同研究では、肉用鶏の初生雛に対し、グルタチオンを添加した飼料を3週間与え、その効果を詳細に評価します。重要な評価項目としては、体重と飼料の摂取量の変化、免疫系の影響を測るための細胞群解析、サイトカインの遺伝子発現量の測定、腸管の長さや絨毛の形態変化、さらには抗体価の変化などが含まれています。
これらのデータをもとに、グルタチオンが家畜の成長と免疫活性化に寄与するかを確認し、将来的な製品化に向けた根拠を得ることを目指しています。実際に使用する雛は、研究の要となります。
今後の展開
WAKUはグルタチオンを含む飼料の畜産への本格的な適用を進め、持続可能な飼料事業への広がりを目指します。今後は豚や牛など、他の家畜に対しても研究を拡大し、さらには海外展開も視野に入れた研究開発を行う計画です。
会社情報
WAKUは2022年7月に設立され、岡山県岡山市に本社を置いています。代表取締役の姫野亮佑氏が率いるこの会社は、グルタチオンを利用したバイオスティミュラントや飼料の研究開発・製造販売を行っています。詳細な情報やお問い合わせは、公式サイト
WAKU までご覧ください。
この新たな取り組みが、持続可能で健全な畜産業の実現に向けた一助となることを期待しています。