茅野市の新たな取り組み、LINEを使った避難所入所手続きの実証実験

新たな避難所運営のスタイル

長野県茅野市で、避難所の入所手続きがLINEを通じて行える新機能の実証実験が行われます。この試みは、自然災害が頻発する中での避難所管理における効率化を目指します。これまでの紙ベースの手続きでは、受付業務に多くの時間と労力を要していましたが、新たなデジタル化によって、受付時間を大幅に短縮することが実現しました。

実証実験の背景

近年、自然災害の頻発とその影響の大きさから、避難所の運営において多くの課題が顕在化しています。特に、避難所の受付作業は混雑や混乱を招きやすく、効率的な運営が求められています。これに対し、株式会社バカンは、避難者マネジメントシステムを用い、デジタル技術による手続きの簡素化を目指しています。その一環としてあるのが、LINEからの避難所入所手続きの実施です。

新機能の特徴

従来は手書きの避難者カードに記入する必要がありましたが、今後は、スマートフォンアプリ「LINE」から簡単に手続きを進めることができます。高齢者を含む広範な利用者がいる中で、日常的に使用されているLINEを通じて手続きを行うことで、より多くの人が抱える既存の障壁を取り除くことが期待されています。

実施日と内容

この実証実験は2025年8月18日に茅野市役所で行われ、対象は市職員です。紙への記入をLINEやWEBフォーム、カードリーダーを使ったデジタル方式に置き換えることで、業務の効率化を図ります。各種手続きにかかる時間を測定し、デジタル技術が持つ有用性を確認することが目的です。

実証実験での効果

実験により、LINEでの受付が平均4秒で処理されることが確認され、従来の紙による方法と比較して95%の時間削減が達成されました。これにより、多くの避難者に迅速に対応することが可能になり、災害時の状況にも柔軟に対応できるようになります。

職員や市民の反応

市職員に対する実証実験では、LINEを利用した受付について「待ち時間が短くて良い」「手順がわかりやすい」というポジティブな反応が示されました。また、多くの人が同時に手続きを行える点も高く評価されています。これによって、避難所の運営効率が大きく向上する可能性が見込まれています。

今後の展望

株式会社バカンは、これまで全国300以上の自治体における混雑状況の可視化や抑制サービスを提供し、地域住民と観光客の快適な利用体験を支援してきました。今後は、「平時にも有事にも対応可能なフェーズフリーなプラットフォーム」を目指すことで、災害対応策をより強化し、DX化を推進していきます。また、LINEを通じたコミュニケーションの強化や、地域交流推進アプリとの連携も検討しています。