エディンバラ公爵および公爵夫人日本公式訪問
エディンバラ公爵殿下と公爵夫人殿下が日本を訪れた4日間の公式訪問は、日英間の歴史的パートナーシップを一層深める機会となりました。この訪問では、イノベーションや持続可能な開発、若者のエンパワーメント、そして女性リーダーシップといった多岐にわたるテーマに焦点を当て、両国の交流の深さを示しました。
訪問のハイライト
訪問の初日には、駐日英国大使館にて「MUSUBIイニシアチブ」から新たに展開される3つのプログラムが発表されました。これらは、特に新進の女性リーダー向けのメンタープログラムや金融業界での女性のキャリア支援を目指した取り組みです。「MUSUBIイニシアチブ」は、日英間の人と人との結びつきを強化するための様々なアクティビティを通じ、長期的な関係を築いていくことが目的です。
公爵夫妻は、天皇皇后両陛下や秋篠宮皇嗣同妃両殿下と面会し、両国の王室と皇室の強い絆が再確認されました。このような高いレベルでの交流が、今後のさらなる協力への礎となることが期待されます。
自然体験と教育交流
特に印象に残ったのは、迎賓館赤坂離宮で行われた植樹式です。このイベントでは、1975年に故エリザベス2世女王陛下が植えた英国産オークの苗木が植えられ、未来へと続く友情の象徴となりました。公爵殿下は、葛西海浜公園で自然体験をする子どもたちと交流をし、またブリティッシュ・スクール・イン東京を訪問して、児童養護施設で生活する子どもたちへの支援活動を行うNPO法人「みらいの森」の活動を視察しました。
さらに、東京で開催された世界陸上選手権に出場した英国チームとも会い、強い絆を深めました。公爵夫人殿下は、渋谷区のウクライナ交流センター「ひまわり」を訪れ、避難者たちと対話し、東京科学未来館を訪れては最先端のアクセシビリティ技術を見学しました。
文化とビジネスの架け橋
ユネスコの世界遺産である高野山でも、日本の精神文化に触れ、地元の子どもたちと交流を行いました。また、大阪の住友電気工業を訪問し、スコットランドのニッグ港に建設中の新工場で働く技術者たちとの意見交換を行い、ビジネスの連携強化を図りました。
大阪・関西万博の未来を見据えて
公式訪問の最後には、2025年に開催予定の大阪・関西万博を訪問しました。両殿下は英国パビリオンを見学し、「Come Power the Future」と題した展示では、日英協力による核融合エネルギーや洋上風力などのイノベーションが紹介されました。日本館では、「いのちと、いのちの、あいだに-Between Lives-」展を体験し、子どもたちとの茶会にも参加しました。
公爵夫人殿下はUN Women主催のジェンダー平等に関するディスカッションにも出席し、エネルギー、持続可能性、科学における女性の役割を称えるレセプションが訪問の締めとなりました。駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏は、この訪問が今後数年にわたる日英間の深化したパートナーシップの基礎となることを確信しています。このように、今回の公式訪問は単なる儀礼ではなく、未来を見据えた重要なステップとなりました。