90年代ラブコメ映画が初Blu-ray化!
東京の神保町シアターで特集上映「東宝90年代ラブコメ★パラダイス」が開催中です。新たにBlu-rayとDVDとして発売された映画『スキ!』『香港パラダイス』『山田ババアに花束を』『咬みつきたい』の記念イベントとして、主演の島崎和歌子さんと渡邊孝好監督による特別トークショーが行われました。
35年の時を超えた出会い
トークの冒頭で島崎さんは「35年前の私と、奇跡の今52歳です。皆さんと一緒に思い出を楽しむことができて、本当にうれしいです」と感慨深く語り、場内は温かな雰囲気で包まれました。渡邊監督は、昨年の上映会をきっかけに東宝に対してBlu-ray化のリクエストを行っていたことを明かし、実現に至った経緯を話しました。
「久しぶりに島崎さんと再会したことが、作品の足掛かりになっているのかもしれません」と監督が語ると、島崎さんは「VHSは大事に持っていたけれど、今は再生できないので、Blu-rayでまた手元に置けることが嬉しいです」と、当時の気持ちを吐露しました。
オーディションの裏話
島崎さんは、映画の主演に選ばれた際のオーディションを振り返り、「大規模なオーディションではなく、制作会社の会議室での面接だった」と語り、渡邊監督は「島崎さんだけに会って、相性も考えたんです」と明かしました。このオーディションは、島崎さんの実力を確認するためのものだったようです。当時17歳の島崎さんは、映画の現場に緊張しながらも取り組んでいた様子がうかがえます。
撮影の思い出
撮影期間中のエピソードも興味深いものでした。島崎さんは、渋谷センター街でのゲリラ撮影を思い返し、「カメラを隠しながらの撮影で通行人の視線を感じるのは忘れがたい経験でした」と笑顔で話しました。渡邊監督は、撮影手法へのこだわりとしてリアルな演技を重視し、「セリフ通りに話させるのではなく、役柄になりきった自然な演技を撮りたかった」と語ります。
特に印象的だったのは、マンションでの泣くシーン。島崎さんは「涙が出なくて緊張してしまった。監督に本当の感情を引き出されて、流れる涙が映画に使われた」と語り、その一瞬のリアルな感情が作品に生きたことを示しています。
共演者とのエピソード
共演者の大江千里さんに対する感謝の気持ちも印象的です。「当時、大江さんは忙しい時期でしたが、いつも優しく接してくれて、本当に助けられました」と当時の思い出を語ります。渡邊監督も「大江さんは現場のムードメーカーであり、存在感も大きかった」と称賛の言葉を贈ります。
Blu-ray、DVDの魅力
今回のBlu-ray化の見どころとして、渡邊監督は「最後のシーンでの島崎さんの表情に、2年の成長を感じてもらえるはず」と強調しました。島崎さんも、家で一時停止して細部を観察する楽しさを語り、観客にも「ぜひこの機会に作品を手に取って楽しんでほしい」とメッセージを送るのです。
まとめ
最後に、渡邊監督は「Blu-ray&DVDとして再び観られることが嬉しい」と語り、島崎さんは「35年間の時を経て、作品が形になる奇跡に感謝しています」と締めくくりました。
この特集上映は10月3日まで続く予定です。ぜひ、90年代のラブコメを再体験してみてはいかがでしょうか。