「継業キャリア」第4のキャリアで新しい未来を拓こう

継業キャリアとは

近年、ビジネスパーソンのキャリア選択肢が多様化しています。従来の就職・転職・起業に加え、新しいキャリアの形態として注目を集めているのが「継業キャリア」、略して「継キャリ」です。これは事業承継を通じて主体的にキャリアを形成する新しいモデルです。10月9日、株式会社トランビが早稲田大学と法政大学の専門家と共に立ち上げた「継キャリ推進プロジェクト」は、この取り組みを広げるための重要なステップとなります。

企業の成長機会の空洞化

日本では、特に大企業において「成長機会の空洞化」が問題視されています。終身雇用制度が崩れ、伝統的な昇進システムがリセットされる現代、ビジネスパーソンが自らのキャリアを主体的に選択する意義が高まっています。特に中小企業では後継者不足が深刻で、調査によると、全国の会社の約52%が後継者を持っていないという状況です。

継業、キャリアの新しい選択肢

こうした背景の中で、継業キャリアは一つの解決策とされており、実際には経営経験があまりない管理職層にも新しい挑戦の機会を提供します。継業を通じて、ビジネスパーソンは経営者視点を学び、自らのキャリアを広げることが可能です。新たな事業を立ち上げる際に比べ、成功確率が高い点も見逃せません。

今後のビジネス環境では、AI技術の進展により、人的管理能力や意思決定能力がより求められるようになります。継業キャリアは、正にそのニーズに応える新しいキャリアパスとなり得るのです。

プロジェクトの具体的な取り組み

「継キャリ推進プロジェクト」は、オンラインコミュニティを通じて、事業承継に興味がある人々をつなぎます。内部では、M&Aや事業承継の成功事例の共有、実践的な知識の提供を行う予定です。また、Facebookグループを利用したコミュニティの形成や、啓発イベントの開催も計画されています。

さらに、今後は副業としての継業にも挑戦しやすくする制度を整備していきます。これにより、会社勤めの方でも無理なく継キャリに取り組むことができるようになります。

経営学専門家のコメント

早稲田大学の教授入山章栄氏は、継キャリが日本の産業発展に寄与する可能性を強調しています。彼は、異なる領域の事業を引き継ぐことで新たな知の探索が生まれ、イノベーションの源泉となると述べています。

一方で法政大学教授の田中研之輔氏は、継業キャリアが自己決定に基づく挑戦を実現する手段として非常に重要であるとも話しています。彼は、継業を通じて人的資本や社会的なネットワークを広げることができると期待を寄せています。