スペースシフトとTellusが描く未来の宇宙情報産業
東京都千代田区に本社を構える株式会社スペースシフトが、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業に参画することが決定しました。共同で進めるプロジェクトは、株式会社Tellusを主導機関とし、地球環境衛星データの利用を加速させることを目的としています。これは、AIを駆使した衛星データの活用基盤の構築によって、宇宙情報産業のエコシステムを目指す挑戦です。
プロジェクトの概要
プロジェクトは「AI駆動型衛星データ利活用基盤による宇宙情報産業エコシステムの創出」と名付けられ、AI開発の専門知識を持つDegas株式会社や、長年にわたる衛星データ解析スキルを持つ日本電気株式会社(NEC)との強力な連携のもと、開発から社会実装まで迅速に進める計画です。参加企業はそれぞれの強みを活かし、国産の基盤モデルや集合知モデルをもとにした高度な技術の開発に取り組んでいます。
各企業の役割
本プロジェクトでは、以下のような具体的な取り組みが予定されています:
1. 日本の環境衛星データを基にした国産基盤モデルの構築。
2. 初期マネタイズとエコシステム構築を目指したインフラの整備。
3. マルチモーダルシステムである「集合知モデル」の開発。
4. データ提供者に適切な利益を還元するための「利益配分モデル」の設計。
5. 「集合知モデル」を基にした新規ビジネスの創出。
これらの施策を通じて、多種多様なプレイヤーが参入できる環境を整え、衛星データの市場拡大と新たな産業を創出することを目指します。
幅広い産業へのインパクト
プロジェクトの成果物は「Tellus AI Playground」で公開され、さまざまな企業がその活用を可能にします。特に開発の中盤以降には、ユーザーからの要望を踏まえたサービス実装が行われ、具体的な利活用へと繋がる見通しです。これにより、多種多様な業界からの参入を促進し、衛星データ市場のさらなる拡充を目指します。
また、Tellusを通じて利用可能な衛星データとシームレスな解析環境が提供されることで、持続可能な循環型エコシステムが構築され、新しい基盤モデルが次々と生まれていくでしょう。
社会への貢献
本事業を通じて、日本国内の衛星データ活用が推進され、「衛星データの民主化」に寄与することが期待されています。これは、衛星データを単なる情報源とするだけでなく、社会インフラとして位置づけ、その活用によって持続可能で競争力のある産業構造が形成されることを意味します。
CTOの元村和史氏も、本プロジェクトの重要性を強調しています。彼は、衛星データ解析の技術を活用し、日本の宇宙情報産業のさらなる発展に貢献する意気込みを語りました。
スペースシフトについて
株式会社スペースシフトは、2009年に設立され、「Sense the Unseen from Orbit(地球上のあらゆる変化を認識可能に)」をテーマに、衛星データのAI解析に取り組んできました。その一環として、インフラ管理や防災、農業、環境保全などの分野で利用される衛星データ解析パッケージ「SateAIs」や、事業共創プログラム「SateBiz」を展開しており、持続可能な社会の実現に向けた努力を続けています。
このように、株式会社スペースシフトとTellusの連携により、未来の宇宙情報産業の可能性が広がり、より多くの企業や地域社会が恩恵を受けることが期待されます。