関東初の国際出産イニシアティブ認証取得の意義とよしかた産婦人科の取り組み

関東で初めての国際出産イニシアティブ認証

2025年3月、神奈川県横浜市にあるよしかた産婦人科が、関東圏で初めて国際出産イニシアティブ（International Childbirth Initiative、略称ICI）の認証を取得しました。この成果は、母子を中心とした安全なケアを提供するための新たな取り組みの一環として高く評価されています。よしかた産婦人科は、この認証を受けたことで、今後の産婦人科医療の標準を築く一助となり、地域の妊産婦やその家族へのサポートを強化していくことが期待されています。

国際出産イニシアティブ（ICI）とは？

国際出産イニシアティブは、2018年に世界の専門機関が創設した枠組みで、出産時の母子の健康と安全を確保するための「12のステップ」がサービス提供施設に求められています。これは、World Health Organization（WHO）のガイドラインに基づいて、母子・家族をひとつの単位として保護することを目的としています。この活動には、国際的な医療機関や助産師団体が携わっており、現在30か国以上で100以上の施設が認証を受けています。

よしかた産婦人科では、この理念を基にして、妊産婦が安心して出産に臨めるような環境づくりを進めています。具体的には、専属の理学療法士が常駐し、母体の健康を維持するための骨盤ケアや産後のリハビリテーションを担当しています。また、妊婦健診では家族の同伴を推奨し、サポート体制の強化を図っています。

妊産婦と家族の健康を守るための取り組み

厚生労働省の報告によると、育児不安や乳幼児虐待の問題は、十分なヘルスケアによって改善され得るとされています。よしかた産婦人科では、この課題解決に向けて、医師や助産師に加えて、理学療法士、地域の子育て支援者など多職種が協力し合い、妊産婦とその家族を支えるためのアプローチを行っています。

特に、母乳相談外来や育児支援施設「よしかたハウス」の設置など、産後のサポートも重視されています。NPO法人や地域の産後ヘルパーとも連携し、育児を行う家庭の健やかな生活を住宅や医療の観点から支援しています。

妊婦に寄り添い、身体の自然なリズムを大切に

ICIが推奨する内容には、痛みを伴う分娩時における薬を使用しない緩和方法や、リラクゼーションの技術が含まれています。この考えに基づけば、よしかた産婦人科では、陣痛が自然に起こることを重視し、必要に応じて薬剤の投与を検討するスタンスを取っています。

分娩のプロセスでは、助産師が妊婦に寄り添い、多様な方法での疼痛緩和を提供しています。加えて、「陣痛と出産の内分泌生理を大切にする」という観点から、妊婦自身の身体の自然なヒントを尊重することが求められていると善方裕美院長は語ります。