ゴールデンウィークにおける有給休暇取得の傾向
近年、ゴールデンウィーク(GW)は、国民的な休暇としての認識が強まっている一方で、特に若年層のワークライフバランス(WLB)への意識が休暇の取り方にも影響を与えていることが、株式会社フォーイットが実施したアンケート調査から明らかになりました。
調査の概要
株式会社フォーイットは、20代から60代までの男女を対象に、全国で500人に対してGWに関するアンケートを実施しました。調査は2025年4月18日に行われ、具体的な問いは「GW期間中に有給休暇を取得して大型連休にしますか?」というものでした。この質問に対する回答結果は、働き方改革が進む中で、どのように人々が休暇を考えているのかを示すものとなりました。
主な調査結果
調査結果によると、最も多かった回答は「基本有休は取らない(暦通りの休みのみ)」というもので、29.6%の人がこの選択をしました。次いで「予定次第で決める」が13.2%、また「必ず有休取得して連休にする」がわずか9.0%という結果でした。さらに、「仕事をしていない」と回答した方も32.4%にのぼり、GWの有休取得状況が依然として課題であることが浮き彫りになりました。
性別による違い
男女別に見ると、男性の方が比較的有給休暇を取得しやすい傾向にあることが指摘されています。労働政策研究・研究機構のデータによると、2025年3月時点で男性が最も多く雇用されている産業は製造業で708万人、女性が多いのは医療・福祉で675万人という状況です。そのため、就業する業種によっても有休の取りやすさが異なることが予測されます。
年代別動向
年代別のデータに目を向けると、特に20代と30代の人たちが有給休暇を取得したいという意向が高いことがわかりました。この層では、4割以上が「必ず有休取得して連休にする」と回答しているのに対し、40代以上ではその傾向が薄いようです。これは、若年層が心身のリフレッシュを重視する意識を持っている一方で、40代以上は企業文化や労働慣行に影響され、有休取得に慎重であることが反映されています。
家族の有無が影響
また、子どもがいる家庭では、有給休暇を取得する予定の人の割合が高く、家族旅行や子どもの世話のためにまとまった休みを設定する意欲が見られます。そのため、GW期間中に家族で旅行を計画する際には、有休を利用して連休にするという動きが強まっています。特に、保育園や幼稚園、学校の休みに合わせて有休を取得する傾向が顕著です。
休暇の取り方のトレンド
今年のGWは、最大で11連休を取得することも可能ですが、物価高や混雑を避ける考え方から、有休を取らずにカレンダー通りの休みを選ぶ人も増加しています。このような状況は、社会の変化や働き方の多様化を反映しており、今後もGWの過ごし方や有休取得のトレンドには変化が見られるでしょう。
まとめ
特に若年層のWLB志向が強まる中で、GWの過ごし方や有休取得の傾向はますます多様化しています。これらの傾向は今後の就業環境や企業の制度にも影響を与えるものと思われます。働く人々が心身ともに健康であるための休暇をどう楽しむかが今後の重要なテーマとなるでしょう。